2025年07月20日 15時18分
《大隅点描 》
ヤマボウシ咲く~自然の奥深さを改めて知りえた
小雨の中、高隈山8合目原生林中をさ迷う中で、白い建物らしきものが浮かんで見えた。
こんな山中に家があるはずもなく不思議な思いに駆られた。
ふっと西洋の物語伝説にも出てくるような森の中の妖精が使う館を思い浮かべた。
怪しげな光景に近づいてみると、何んとヤマボウシ(ミズキ科)の花だった。
いつも見慣れている花ながら、別世界へと引き込まれていた。


花の数1日300花、やれやれ安心もしたが、伝説の森や花の精霊は、こうして生まれたのだと納得もし、自然の奥深さを改めて知りえた。
山法師と書いてヤマボウシと読む。
花の中心にある球状の両性集合体を山法師のかぶる帽子(頭巾)に見立てて言う。
その集合花は秋には直径1.5㌢に赤く熟した果実となり美味である。
きっと昔の修行僧が高隈山中で赤い果実を口にしたであろう。
大隅の自然、歴史研究
坂元二三夫