《雑草 》
コスモピア内之浦解体工事入札参加者の募集始まる
再び、コスモピア内之浦の話。
内之浦町議会は、解体費用の予算を可決し、町は、この23日からコスモピア内之浦解体工事入札参加者の募集を始めている。
ここ数年のコスモピア内之浦に対する資料を読んでみて、さらに令和になってからの議会議事録にも目を通してみた。
町や議会、コスモピア内之浦を愛する会の町民とのやり取りを見ていて感じたのは、それまでになされていたのかもしれないが、町民の福祉という観点からの議論が薄いのかという思いもした。
また、ちょうど庁舎建て替え等を議論している自治体、というとどこか分かるのだろうが、その議論の中で、「小中学校の校舎など昨今は、壊すのでなくその建物をうまく有効利用していくのが主流になっている。」「大学の建物も老朽化してきているが、解体という方向ではなくリユースしていく方向で」という旨の話も聞いていた。
また、全国で空き家が増え、資源利用、SDGsなどの観点からも、改修して別な用途で再利用していくという例も聞くようになってきているので、そうした流れも選択肢としてあるのではと思っていた。
もちろん、国民宿舎コスモピア内之浦のあり方検討委員会答申では、
①「現状有姿または更地引渡しによる民間移譲」
②「建替えまたは大規模改修後の民間移譲」
③「建替えまたは大規模改修後の指定管理者制度による無償での民間委託」
④「建替えまたは大規模改修後の指定管理者制度による有償での民間委託」
の4択が示されていた。
そして、「国民宿舎コスモピア内之浦の運営(内之浦地区拠点施設創成)に係る優先交渉権者の選定結果及び今後の方針」という資料を見てみると、「決定した優先交渉権者が解体後の跡地利用を希望していることから、6月補正により国民宿舎コスモピア内之浦の解体に係る設計監理業務委託料を計上」とある。
つまり、大規模改修はないということだが、あり方検討委員会答申後のやり取りが見えず、国民宿舎コスモピア内之浦の運営(内之浦地区拠点施設創成)に係る優先交渉権者の選定結果及び今後の方針が示されたときは、解体ということが前提で進められている。
13日の一般質問のコスモピアに関するやり取りを聞いていても、解体後は、決定した優先交渉権者が宿泊施設を造ることは決まっているが、温泉施設や飲食施設については別途協議して決めるという。
なんとも分かりづらい決定の仕方だし、今後についても解体の予算がついたものの、中身はこれからの協議ということで、流れがつかみにくい。
今更だが、ここ数年の議事録にずっと目を通してみて…
客観的にみて、よくこの約6億円という解体予算がこういった状態で議会を通過したものだ…と思う。
今更だが、令和元年からの議事録にずっと目を通してみて、かなりの量で議論は繰り返されているが、どうも財政上の問題、やぶさめ館や叶岳、銀河アリーナなどの総体的な財政負担による町の財政問題、また国の1200兆円の借金のことに触れるなどで議論が膨らみ、果たしてコスモピアそのものについてのしっかりした議論が中心にあったのか、何か腑に落ちるものがない。
平成17年がピークでその後は赤字が続いてというが、平成18年度からは民間活力を活用した指定管理者制度が導入されていて、果たしてその制度の検証、コロナも拍車を掛けたというが、宿泊についてはやり方によっては黒字が出ていて、町長の答弁や答申の中では、宿泊については運営していく余地がある旨も記してあって、その辺りからの議論のスタートでもよかったのではなど考えたりする。
今になって、ここ数年の議事録を読み返してみても、解体の予算が可決され解体工事入札参加者の募集が始まっているので何ともしがたい。
それぞれ議員の皆さんはその辺りを理解され、解体予算に賛成されたと思うが、町民にはとても分かりづらい。
これからの協議となろうが、果たして内之浦地区住民の思い、宿泊施設や温泉施設、宴会場などの施設がどんな形で展開されようとするのか。
優先交渉権者による主な提案内容については
・温泉施設の整備
・ホテル事業:シングルサイズの部屋を複数戸整備
・飲食事業:新鮮な海鮮料理、辺塚だいだいを使用した食事の提供等
地域が本当に必要としているニーズを事業者として認識し、必要なサービスの提供を考えているという。
これがある程度の形が見えて進められるのなら、こうして書くこともないが、しばらくは、解体されさら地になり、優先交渉権者との協議される様子、議会も含めた町の動き、町民福祉やSDGs等の観点からも見守っていきたい。(米永20241227)