2024年12月29日 19時33分

《雑草 》

要は、その学校長や教育委員会の考え方、方針次第なのか…

 ここ数回不登校やひきこもりなどについて書いているが、ほかのテーマもあり、少し間が空いてしまった。
 この欄で何度か、宿題がない、テストがない、先生がいないという「きのくに子どもの村学園」のことを書いてきた。

 30年前から「探求学習」を実践している先進的な取り組みをし、キラキラした目で授業を受ける小・中学生の姿があり、学校って、本当はこんなにわくわくする場所だったと紹介されている。

写真=泉大津市立小津中学校 生徒発信中心のサイトから

子ども主体で

 学園の子どもたちが、「プロジェクト」とよばれる体験学習の授業を通じて、自分たちでプロジェクトを運営し自らの頭で考えていく姿がそこにあり、学校教育の認識が180度変わる「衝撃の楽しい授業風景」だという。

 このほかにも、60年間成績通知表や時間割りがない「体験型総合学習」を続ける公立小学校の伊那小学校。通知表の学習評価を「選択性」にした松山市立余土小学校。校則、定期テストをやめた世田谷区立桜丘中学校なども。

 そして今、校則も授業も生徒がつくり、新しい学校づくり「ルールメイキング」を試みる学校が全国で430もあるという。

 大阪の泉大津市立小津中学校では、校則だけではなく「生徒主体の学校づくり」が行われ、自分たちが学びたいプロジェクトを自分たちで考え、社会にとっても価値のあることにつながる37のプロジェクトが立ち上がり、約1年かけて取り組むという授業を実施。

 例えば、ヒップホップを広めるプロジェクト、学校のゆるキャラやカプセルトイを製作するプロジェクト、泉大津市に眠る文化財を公開するプロジェクトなども。

 生徒が地域のお寺などにかけあい、普段は公開されていない仏像などの文化財を公開。全国から集まった人に向けて、生徒自ら魅力を説明したという。

 そうした学校が全国でどんどん増えてきたということは、何よりも子どもたちのためになり、さらに教師の在り方、先生が生徒に教科書や教材等を使い一方的に教えるというスタイルから大きな転換となって、やり方によっては教師不足という現状も改善されるのかもしれない。

 子どもたちにとっても、自分の知らないことを自主的に学んでいくことで、将来の自信や人に伝える力もつくのだろうと思う。

この多様化社会で高校生までは地域との接点が希薄

 要は、その学校長や教育委員会の考え方、方針次第ということなのだろう。

 私は、地元の高校を卒業して大学、社会人と約10年ほど鹿屋を離れ戻ってきてから、この大隅半島の自然や歴史に触れる機会、時間をつくってきた。

 この仕事をさせてもらっているということもあり有難いことだが、例えば、高校を卒業し福岡の大学に行って、福岡で働いている友人が帰郷してきたので、いっしょにドライブをして、この大隅半島のいろんなところを案内したことがあった。

 そのときに思ったのは、高校ではほぼ学校との行き帰りだけで、この大隅半島に住んではいたけれども、通学以外でどこそこ自分でいくことはなかった。地域との接点がほとんどなかったということ。

シビックプライドを高めるためにも

今、多様性の時代と言われ、高校生もネットやスマホ等で情報がどんどん手に入る時代。
 もっと子どもたちの自主性を育てていく学校があってもいいと思うし、今そのニーズも高まり、学校自体が変わり、生徒たちの意識も高まっているのか。

 高校生までの学校生活で、その地域のことにもっと接点のある何かがあると、子どもたちもいきいきすると思う。

 阿部文科大臣はこの25日、小中高校の学校教育の基準となる「学習指導要領」の改定にむけて中央教育審議会に諮問したという。

 鹿屋市は、鹿屋風土記を発行し、ふるさと検定を実施している。
 ふるさと検定は子どもたちも受けたし、鹿屋風土記は学校でも教材の一つになっていると聞いたが、風土記をベースに子どもたちが自主的に組み立てる授業があると、ふるさと検定とともに、若い時から地域をもっと知り、シビックプライドを高めることに繋がり、その趣旨に合致する。

 他自治体も含め、新年度からは、そうしたことを少しでも具体的に取り入れて、子どもたちのいきいきとした姿を見てみたいと思う、ぜひ。(米永20241229)

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