2024年03月30日 10時53分

《歴史 》

古代人の息遣い体感~大隅の古墳めぐりバスツアー入門編

 大隅の古墳めぐりバスツアー入門編が、令和6年3月26日、串良ふれあいセンターに集合し、鹿屋市串良の岡崎古墳、肝付町の塚崎古墳、東串良町の唐仁古墳、大崎町の横瀬古墳を見て歩き、学んだ。

 専門職員による解説を交えながら大隅半島に多く存在する前方後円墳などを巡るバスツアー。
 大隅半島には、多くの古墳が存在しており、鹿屋市の岡崎古墳を皮切りに、周辺の町の主な古墳群4つを巡る「古墳入門編バスツアー」として実施。

 古墳好きな文化財センター職員が、分かりやすい解説を交えながら案内。大隅半島の古墳により興味を持つツアーとなった。

 古墳については、3世紀の中頃から7世紀の初めころまで (約1700年前~約1500年前)の350年くらい続いたのが古墳時代で、全国で作られ当時のその地方の権力者のお墓。 土を盛り上げて作り、前方後円墳、円墳、方墳などの形がある。

  宮崎県の南半分と、大隅半島にのみ見られる地下式横穴墓は、古墳時代のお墓の一つで、鹿屋市では約350基がこれまで調査され、 吾平町中尾地下式横穴墓からは県指定文化財である 「象嵌装大刀」 が見つかっている。

 中でも、岡崎古墳群では、古墳の周りにある溝 (周溝)を利用して地下式横穴墓が作られる例が初めて発見されるなど、 これまでも歴史解明に重要な情報が得られてきた。

 岡崎古墳群は、令和元年度から発掘調査が進められ、周溝を見つけることで古墳を再発見しようと試み、地下式横穴墓が10基以上も新たに見つかり、副葬品などさらなる調査で国史跡指定を目指している。

 塚崎古墳群は、前方後円墳4基、円墳39基からなる古墳群、かつて勾玉などの玉類か出土したと伝えられ、地下式横穴も11基が確認され、ここからは、直刀、剣、刀子、鉄鏃、切子玉などが出土している。

 また、塚崎古墳群の中には、県内で初めて発見された弥生時代の住居跡、花牟礼法跡がある。古墳群は、1945年国指定史跡となった。

 かつては、麿児島県には前期古墳はないというのが定説だったが、研究者らによる測量調査などの結果、塚崎古墳群には前期古墳かあることが分かり、話題になっている。

唐仁古墳群は、132基の古墳群で前方後円墳が4基あり、県内最大の古墳群。 中心となる1号墳は墳長140m、濠まで含めて 185m、高さ11mと県内で最大、九州内でも3番目の大きさ。後円部にある竪穴式石室は中が朱塗りで、舟型石棺が置かれていた。短甲と呼ばれる鎧も副葬されていた。

 岡崎15号墳で見つかっている短甲と同じ種類のものと考えられ、唐仁1号墳と岡崎15号墳はほぼ同じ時期に作られたということになっている。

 横瀬古墳は古墳時代(5世紀末) の前方後円墳。 全長約 135m、 後円部長72・5m、 高さ約13・6m、 くびれ部の幅は45m、前方部長さ62・5m、高さ9・6m、周囲には幅11・3~18・7mの周濠が廻っている。

 外側にもさらに周濠があり二重周濠の可能性もある。

 後円部の頂部には竪穴式石室があり、1960年代頃盗掘を受け、鉄製の直刀などが出土したと伝えられているが、1997、98年の発掘調査で県では珍しい円筒埴輪や形象埴輪 (楯形・人物・器材)、鎧、勾玉滑石製品、須恵器等が出土。
 大きさは県内第2位で墳形は最も美しいとされている。

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