2024年05月03日 22時27分

《建設・インフラ 》

大隅4市5町議会が「錦江湾横断道路」早期事業化求める

県知事に意見書、県議会に要望書提出

 桜島と鹿児島市街地を結ぶ錦江湾横断道路の実現に向け、大隅半島9市町の議会議長が令和6年4月26日、県庁を訪れ、塩田康一知事に早期事業化を求める意見書を、松里保広県議会議長には要望書を提出した。

 提出の趣旨は次の通り。
 大隅半島と薩摩半島を繫ぐ錦江湾横断道路は、交通の利便性の向上や生活圏の拡大、観光資源として活用するなど、大隅半島をはじめとする九州南部地域の産業・経済・文化の発展に大きく寄与する道路である。
 近年、激甚化傾向にある自然災害への対応や救急医療体制の確保など、防災・医療の観点からも最重要であることから大隅4市5町(鹿屋市、志布志市、曽於市、垂水市、大崎町、東串良町、肝付町、錦江町、南大隅町)の各議会から「錦江湾横断道路の早期事業化」を求める「意見書」を県知事へ、「要望書」を県議会議長へ提出したもの。

 意見書は9市町の議会で採択されたもので、要望書は9議会連名で提出。鹿屋市議会の花牟礼薫議長が代表で手渡した。

 錦江湾横断道路建設運動については、これまで鹿屋経済同友クラブが桜島架橋推進として平成7年から活動を始め、薩摩半島と大隅半島をつなぎ、防災、緊急救命医療の面では鹿児島県民にとって命の橋でもあり、県土の均衡ある発展、観光面でも地域の活性化のため…など訴え、大隅半島の団体や住民が主体として活動をしていきた。

 平成16年には「桜島架橋推進決起大会」を大々的に開催、署名活動や様々な運動を続けてきて、平成19年には15万数千余名の署名簿を鹿児島県知事へ提出してきた。

 これらを受け、繋がる地元の鹿児島市内でも盛り上がろうと令和3年1月に桜島大橋推進協議会が発足され、活動を続けてきている。

 また、この横断道路を巡っては県が令和3年6月に構想路線に位置付け、昨年8月に垂水市を中心に官民有志が錦江湾横断道路推進協議会を設立し活動を続け、今回の意見書、要望書の提出となった。

「錦江湾横断道路」の早期事業化を求める要望書は次の通り。

 はじめに、令和3年6月に策定された「かごしま新広域道路交通ビジョン」及び「かごしま新広域道路交通計画」におきまして、構想路線に位置付けられた「錦江湾横断道路」は、薩摩半島と大隅半島を結び、交通の利便性の向上や生活圏域の拡大、観光資源としての活用など、大隅半島はもとより、九州南部地域の産業・経済及び文化の発展に寄与するとともに、近年、頻発・激甚化傾向にある自然災害への対応や救急医療体制の確保など、防災・医療の観点からも必要不可欠な道路であります。

 特に、活火山桜島にあっては、大正噴火から1 1 0年を経過し、今後、大正噴火級の大規模噴火が危惧されており、桜島に暮らす住民の避難方法としても早急な整備が必要とされる道路であると考えます。

 近年の大隅半島におきましては、地元代議士や県のご協力により、各地域の国道。県道が整備されつつあり、以前より格段に交通体系が整ってきてはおりますが、令和6年元日に発生しました石川県能登地方を震源とする「能登半島地震」では、半島内に広範な交通遮断や孤立が発生し、被災された方々が大変な苦難に見舞われておられることから、複数の避難道確保の重要性が認識されたところとなっています。

 そのようなことからも、今後発生が懸念される南海トラフ地震においても、大隅半島に広範な交通遮断や孤立が発生することが大いに想定できますことから、今後発生し得る桜島の大噴火はもとより、懸念される地震等の災害に備え、「かごしま新広域道路交通ビジョン」及び「かごしま新広域道路交通計画」における、「錦江湾横断道路」を構想路線から「実施路線」化、併せて早期事業化されるよう強く要望いたします。



「錦江湾横断道路」の早期事業化を求める意見書は次の通り。

 令和3年6月に策定された「かごしま新広域道路交通ビジョン」及び「かごしま新広域道路交通計画」において、構想路線に位置付けられた「錦江湾横断道路」は、薩摩半島と大隅半島を結び、交通の利便性の向上や生活圏域の拡大、観光資源としての活用など、大隅半島はもとより、九州南部地域の産業・経済及び文化の発展に寄与するとともに、近年、頻発・激甚化傾向にある自然災害への対応や救急医療体制の確保など、防災・医療の観点からも必要不可欠な道路である。

 特に、活火山桜島にあっては、大正噴火から110年を経過し、今後、大正噴火級の大規模噴火が危惧されており、桜島に暮らす住民の避難方法としても早急な整備が必要とされる道路である。

 近年の大隅半島においては、地元代議士や県のご協力により、各地域の国道・県道が整備されつつあり、以前より格段に交通体系が整ってきてはいるが、令和6年元日に発生した石川県能登地方を震源とした「能登半島地震」においては、半島内に広範な交通遮断や孤立が発生し、被災された方々が大変な苦難に見舞われていることから、複数の避難道確保の重要性が認識されたところである。

 そのようなことからも、今後発生が懸念される南海トラフ地震においても、大隅半島に広範な交通遮断や孤立が発生することが大いに想定できることから、今後発生し得る桜島の大噴火はもとより、懸念される地震等の災害に備え、「かごしま新広域道路交通ビジョン」及び「かごしま新広域道路交通計画」における、「錦江湾横断道路」を構想路線から「実施路線」化、併せて早期事業化されるよう強く要望する。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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