2023年12月18日 17時27分

《オーガニック 》

この国の食に関する意識、認識はとても遅れている

学校給食の取り組みで感じていること

 鹿屋市の学校給食は、センター方式で平成22年9月に南部給食センターがスタートし6000食、令和3年9月からは北部給食センターが稼働し4000食分を子どもたちに提供しているという。

 平成22年の南部給食センターがスタートする際には、子供たちの食を考え、一部保護者らが自校方式を残して…などを教育委員会に訴え、それをずっと追いかけ取材したことがあった。

 しかし、教育委員会はすでに決定したことだとして、そのまま計画を進めた。

 南部北部合わせて1日1万食という食材を集めるという作業は、果たして子供たちの食、あるいは食育という観点から、私自身もどうなんだろうという思いも強く、市内の各肉屋さんを回って聞いたり、お米の納入先を調べたりした。

 その中で大きな疑問もあったり、南部センターの調理請負業者についても、手を挙げた地元の業者と県外の業者との間での選定についても調べたりした。

 決まっていることなので…と言われながらも、この高隅山系の緑豊かな地域、そして錦江湾に面した海の幸もあり、子供たちの食を考えると、特に食育という観点から自校方式のほうがいいという思いを持ちながら、その保護者らの訴えを取材した。

 しかし、コストなど合理的な理由、効率優先、センターそのものの建設に絡んでなど、その声は届かなかった…というよりも、ほぼ門前払いという形だった。

 学校給食の取材をしている中で、その献立の在り方、食材選び等を調べ、その方向性に疑問もあったので、例えば、センター方式でするにしても、その施設の前に簡単なプレカット工場を作れないか…、地域のおじいちゃん、おばあちゃんの作った野菜を特定の品目だけでも、形は不揃いでも、そこに持ち込むことで給食材としてカットされ調理していく方法などとれないか等を提案したが、これも決まっていることなので…ということだった。

地産地消だけでなく
有機食品の利用を

 今、南部給食センターでは、学校給食における地産地消の推進を図り、令和5年度までに地場産品調達率を35%以上に引き上げるため、地元食材を優先的に活用、納入事業者に対して理解と協力を求めている。
 北部給食センターでは、令和6年度までに地場産品(鹿屋産)調達率 35%以上を目標にしている。

 今、学校給食費については、2022年度に全国で3割が無償化を進めている。加えて昨年10月に東京で行われた全国オーガニック給食フォーラムの資料によると、地産地消の推進だけでなく、123市町村が有機食品を使用しているという。

 国の進める政策、種子法廃止や種苗法を考え、また、自給率、農薬や飼料などを考えあわせると、今、私たち大人もだが、子供たちの生命、健康に関しては最悪に近い状況ではないかと強い危機感を持つ。この国の食に関する意識、認識はとても遅れている、というよりひどい現状がある。

 気が付いたところから、この現状から脱しようとする動きが始まっているようだ。この国の明るい未来、子供たちの将来のために、今を生きる私たち大人に課せられた使命だ…と。

 食の豊かな、食の供給基地と言われるこの大隅半島。果たしてその未来は、ここに住む子供たちの将来は…何らかのアクションを。(米永)

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