2024年09月01日 17時49分

《大隅点描 》

サタヒルガオ咲く~沿岸分布の丸葉形が草原に

 鹿児島県本土に分布するヒルガオ科には、盛夏に咲くヒルガオ、子ヒルガオが野原や道端に。ハマヒルガオ、グンバイヒルガオが海岸に分布する。

 いずれも普通に見られるつる性の多年草であったが開発等の受けて減少方向にある。

 写真は大隅半島の南大隅町佐多岬に近い野尻野草原(標高300メートル)で撮影したもので、はじめは葉身が長楕円形のほこ形、矢じり形をしており、ヒルガオと思っていたが、花は淡紅色で中心部から伸びる5本の白い縦帯が目立ち、ハマヒルガオに見えたことから不思議に思い、野尻野草原一帯を2度にわたって個体群の調査を行った。

 草原にはヒルガオが広く分布する中に混じって少ないものの花に白い縦帯の固体と考えられる中間型の存在を確認した。

 判断基準は沿岸に分布されるはずの丸葉形のハマヒルガオが見られたことである。

 本来、野尻野草原は古くからの草原としての歴史があり、しかも花崗岩からなるマサ土の砂地が多く、古くからハマヒルガオが分布していた可能性が高い。

 今回の調査では、仮称であるがサタヒルガオと名付けることとしたが、今後も再調査を続けながら種子からの育成調査を行い、来年の開花を待つことにした。

 おおすみの自然、歴史研究
 坂元二三夫

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