2024年07月13日 11時26分

《食・物産 》

本格的な出荷シーズンを迎えた南大隅町のパインアップル

 本格的な出荷シーズンを迎えた南大隅町のパインアップルの果実試食会と収穫目揃え会が、令和6年7月11日、南大隅町の佐多岬熱帯果樹施設で行われた。

 美味しく食べてもらうための収穫の際の注意点も話され、生産者ら参加者による試食では、もぎたての3品種のパインアップルをそれぞれ味わい、今年の出来を語り合って本格的な出荷に備えていた。

写真=生産者らが集まり試食会

 本土最南端の温暖な気候を利用し、町が生産を強化するアボガドやパッションフルーツなど熱帯果樹の一つ。
 新規就農した移住者を中心に栽培が広がっており、新たな特産品としても期待が高まっている。

 用意されたのは、果汁が多い「ハワイ種」、しっかりした果肉と甘さが強い「ボゴール」、濃厚な味わいと香りが特徴の「ゴールドダイヤモンド」の3品種。

写真=南大隅町の新保経済課長があいさつ

 町では、同町の気候風土を活用し、南国の果物、熱帯果樹を栽培するに当たり他の産地に先駆け、地域特色を生かし複合的に組み合わせ可能な品目として真夏商材のパインを導入。パインアップル生産にあたり、平成29年より志布志市や沖縄県等からから苗木の購入を行い5年前より販売に繋げてきた。

 令和6年産は、生産者12戸で、植栽面積83aで無加温76a、トンネル(露地)7a。植栽本数は2万1000本で、出荷時期は4月~9月。

 太陽の恵みをふんだんに浴びて、収穫日数をより厳選して完熟品の追求を行い、選りすぐりの品質に仕上げた果実を届け、1キロ1000円前後で取引されるとみられている。

写真=岩下果樹営農指導員が出荷規格を説明

写真=JAの宮後指導員が収穫基準を説明

 3品種の特徴は次の通り。
 ハワイ種:果肉の色がとても濃厚な黄色で、果汁が多くジューシイ。
 ボゴール:果肉の芯部分まで食べられ皮目め節のような部分から、手でちぎってスナック菓子のように食べらることができる。
 ゴールドダイヤモンド:果肉の芯部分まで食べられ蜂蜜のような濃厚な味で食味が非常に特徴があり、クリーム色の果肉が特徴。

 この日は、南大隅町の新保哲郎経済課長が、今年の出来など含めあいさつ。
 岩下恭一果樹営農指導員が、茎の残し方や葉の切除の仕方など出荷規格、JA鹿児島きもつきの宮後郁也指導員が着色などの7月における収穫基準を説明、各品種の試食会となった。

写真=地域おこし協力隊の金子さんが収穫に精出す

 東京から移住してきて5年前からパインアップルを作ってきている仲究・理恵さん夫婦は、3種類とも育て、ボゴールは多く栽培されていますが、ゴールドダイヤモンドは蜂蜜のような濃厚な味だけど、虫がつきやすく育てるのは大変。やはり獲れたてがおいしいです…など話していた。

 また、デラ・セーラ農場では、コーヒーも栽培しており、中村周太さんは、「去年200本、今年200本植え、2~3年で実が着きます」など、熱帯果樹としての今後に期待をかけていた。

写真=アボガドも11月ころ収穫予定という

 南大隅町産パインアップル販売先については、東京市場、山形屋デパート、地元Aコープ、なんたん市場、新宿高野、どっ菜市場、ふるさと納税返礼品など。

 同農場では、奈良県出身の地域おこし協力隊、金子美里さんが収穫に精を出し、また同施設ではパインアップの他にアボガドやパッションフルーツも育てており、アボガドは今、40戸の農家がチャレンジ、11月には初の出荷イベント等も行う予定だという。

写真=パッションフルーツも

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