2024年01月05日 10時02分

《伝統 》

旗山神社を中心に伝承される年初の行事、柴祭り

文化庁が「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」と指定

 錦江町池田の旗山神社で正月2日から4日にかけて、年始めの行事「柴祭り」が行われた。

写真=田起儀式

 旗山神社の柴祭りは、地区の旗山神社を中心に伝承される年初の行事。

 暮れに柴の神という、山から多数の榊の枝葉を採り、神社神殿の隅に伏せておく。
 正月2日に旗山神社の神様が、立神神社の神様をお嫁さんとして迎えに行く。
 宮司宅で櫛の使い始め、爪切りの使い始め、ひげそり始めなどの儀式を行い、宮司と伶人の一行は立神神社へ嫁もらいに行く。

 立神神社は高くそそり立つ岩が御神体の神社。神事の後に、今年の豊作を願う田打ち神事を行う。

写真=田植え儀式

 一行は公民館で地区のおもてなしを受ける。
 
 お椀に入らないほど大きなサトイモで歓迎され、針起こしやナンコ始め、さらにクワの使い始めの儀式を行う。旗山神社に帰ると、初風呂に入る。

 翌日の正月3日は、この坂まで初狩に行く。大きな猪を4頭仕留める。

 4日は、海の見える高尾まで新婚旅行に出かける。地元では、この柴祭りが終わらないと山に入ってはならないと、言い伝えられている。

写真=旅所での儀式

 この祭りは「池田の柴祭り」として2020年3月16日、文化庁が「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」と指定し、鹿児島県・筑波大学・地元の研究者5人が、詳細に祭りの記録を取り、報告書をこのほど作成した。

写真=大きな里芋でもてなす

 今年の祭りは、2日目の3日は雨で、この坂までのシシ狩は旗山神社境内で行われた。

 3日目に行われる正月4日の行事は、繰り上げて3日の祭りの後に行われた。3日はあいにく雨、高尾まで神幸する行事は旗山神社境内で行われ、高尾地区にある高穂神社までの神幸は車で移動した。

 高穂神社の祭りは例年通り行い、祭りは終わった。

写真=針起こし

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