2024年03月26日 10時45分

《教育・社会 》

スポーツで考える男女共同参画シンポジウム

 スポーツで考える男女共同参画シンポジウムが、2024年3月20日、鹿屋体育大学水野講堂大ホールで開催され、元マラソン選手でスポーツジャーナリストの増田明美さんが講演、ディスカッションもあった。

 鹿屋体育大学男女共同参画推進室では、スポーツにおける男女共同参画及び競技力の向上の観点からシンポジウム開催、増田明美さんを講師に「スポーツで考える女性活躍促進」講演。

 また、鹿屋体育大学教授で男女共同参画推進室の山田理恵室長、ファシリテーターの宮嶋泰子カルティベータ代表理事と増田明美氏を講師に「スポーツのまち かのやから男女共同参画を考える 」と題してディスカッションがあり、同大学の現状を踏まえ、スポーツとジェンダー、スポーツにおける男女共同参画にアプローチした。

 鹿屋体育大学の金久博昭学長が「女性スポーツの中でも女性コーチは約2割、考えていかなければならない課題。4月からの朝ドラは、虎に翼で、女性初の判事がテーマのドラマ。女性の活躍がドラマを通じて無意識のうちに高まっていけば」などとあいさつ。

 増田さんは講演で、陸上競技5000mで世界陸上選手権など活躍した鍋島莉奈さん、水泳の柴田亜衣さんらが鹿屋体大出身で、ほかスポーツを通しての活躍で女性の地位が認められてきた部分もある…などスポーツの歴史を語り、今、オリンピック種目も男女で競技、若者に支持されているスポーツが新しい競技に加えられている。

 女子スポーツの歴史を語る上で、女子スポーツ連盟を設立したアリスミリア選手、日本では女子で初めてメダルを取った人見絹代選手など、女子スポーツ選手が結果を出していくことで理解されていった。

 海外に行ったとき、言葉で伝えるのでなく、まず一緒に走って、いっしょに汗をかいてコミュニケーションが繋がっていく。

 女子スポーツのコーチが男性だと、[生理があるようじゃ、まだ練習が足りない」と言われ、あとでMRIをとったら疲労骨折を7カ所していた。もっと女子の指導者が増えたらいい。今、女性で活躍、指導者で頑張っている人に期待、女性ならではの指導ができるよう環境を整えていけたら…など話した。

 ディスカッションでは、宮嶋さんがロス五輪の時に増田さんをインタビューしてからの付き合い…などと話し、増田さんが引退したのが28歳、疲労骨折をした時の骨密度は65歳の女性の数値と言われた。

 それは、無理なトレーニングと減量で月経が2年ほど止まった時期にエストロゲンの分泌がおこなわれなかったため、足の骨がもろくなったのが原因。これも女性の指導者がいたらまた違っていた。

 今、子どもを産んでからも世界で活躍する選手がいて、特に陸上の選手が多いが、指定選手だといいが、そこから外れると子どもを預けるのに保育料だけでも10万円かかったりし自腹。選手として続けていくのは大変。

 そして問題はコーチ。そうした環境や生理などに理解のないコーチもいて、また団体役員も女性が少なく、中央はまだいいが、地方に行くとまだまだ少ない、
 職場もそうだが、組織の中での男女格差はまだまだある。

 スポーツだけでなく、家庭での家事の負担も理解が足りない。スポーツでの女性の立場という前に、基本は家庭であり、それを男の人に分かって欲しい。そこが原点。

 スポーツ報道でも、男性が多く、スポーツ庁では、女性スポーツの促進方策で、団体の女性役員の増加、女性指導者の育成を取りまとめているがまだまだ。

 例えば、パスの仕方も男性がするのと女性がするのとでは違う。今ある男女のギャップをどこから埋めていくのか、まずは身近な家庭のことからシェア、ギャップ解消をしていくことが大事だ…などディスカッションした。

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