2023年11月28日 13時41分

《伝統 》

神舞伝承に池田小石踊校長が四人鬼神、教頭が太鼓、3年生以上が舞う

錦江町城元の旗山神社で、16年ぶりに神舞が奉納

 錦江町城元の旗山神社で令和5年11月26日、16年ぶりに神舞が奉納された。
イチョウが黄色く色づいた境内で舞われ、多くの見物人でにぎわった。

写真=旗山神社とイチョウの下で舞われた神舞 矢抜き鬼神

 旗山神社は錦江町城元にある神社で。兵道家野村氏の伝えによれば、島津家九代忠国公の時、肥後国志目岐岳より良竹を当社辺の山に移植し、代々の旗竿山として、旗山大明神を勧請したという。

 義弘公の朝鮮出兵の際にもこの山竹を旗竿に用いられた…と伝承されている。

写真=吉野神師

 旗山神社には48番の神舞があったと伝承されている。昭和39年の鳥居建立の際に奉納されて以来途絶えていた。

 神舞保存会が結成されて平成7年、15年、19年に旗山神社の秋の新嘗祭の時に舞ってきた。この神舞は池田地区の川北と川南の住民が伝承して舞っている。

 神舞保存会では人口減で保存会の会員が減少し、このままでは神舞が途絶えてしまうのではと心配し、今までの川北と川南地区以外の人にも参加してもらい、神舞を続けることにした。

写真=山神

 3年前に石踊晴元校長が地区の池田小学校に赴任し、総合学習の時間に子どもたちに神舞を保存会から教えてもらい、神舞伝承に取り組んだらと提案され、始まった。さらに保存会では、今年の9月に新しく神舞保存会会員の募集を始めた。

 池田小学校校区内外から20~40歳代の若者が参加し、さらに池田小学校の職員と児童が参加した。

写真=四人鬼神

 11月の旗山神社新嘗祭で神舞を奉納しようと、池田小学校の石踊晴元校長先生が「四人鬼神」の舞、教頭先生が太鼓を叩き、3年生以上が神舞を練習した。

 11月26日の午前中に新嘗祭が行われ農作物の収穫に感謝した。

 境内北側の紅葉したイチョウの木の下に舞どころが設けられ、久しぶりにたくさんの人々が神社境内に集まり、午後2時から神舞奉納が始まった。

写真=長刀

 1番は「長刀舞」で木下巧大さんが、長刀を持って勇壮に舞った。
 2番は「鬼神舞」で、池田小学校5年生の小泉心音さん、3年生の大園千颯さん、5年生の大園菜乃歌さんの3人が、それぞれ鬼神の面をかぶって舞った。
 3番は多力鬼神で、鬼神面をかぶり最初に池田小学校5年生の新久保陽さんが、引き続き同じ舞を神舞保存会長の押領司純一さんがそれぞれ勇壮に舞った。
 4番は「吉野神師」で、松脇政友さん、畠中直さん、小平幹雄さん、久本晃さんの4人が、長い襷を持って舞った。
 5番は「山神」で、神舞保存会長の大園六雄さんが、山の神の面をかぶり、痩せた高齢者風に舞った。
 6番は「矢抜き鬼神」で、押領司純一さんが4方に立てた矢を抜く舞を舞った。
 7番は「霧島鬼神」で、旗山神社宮司の前迫芳文さんが面をかぶって勇壮に舞った。
 8番は「四人鬼神」で最後の舞。ジュジュどんを池田小学校校長の石踊晴元さん、北方を木下巧大さん、南方を大園智明さん、東方を久保優太さん、西方を上堀内弘樹さんが舞った。

 楽は谷口雅彦池田小学校教頭や学校職員、地域おこし協力隊員などが協力した。石踊池田小学校校長は「四人鬼神で四方神の親としてジュジュどんが後継者を選ぶ舞を舞った。学校では10月から本格的に練習を始め、文化祭でも神舞を披露した」と話した。

 前迫旗山神社宮司は「多方面から参加してもらい後継者が育った。今後も練習してもらい、磨きがかかり素晴らしい舞にしたいなるのでは」と話した。

 正月に行われる旗山神社の柴祭りは貴重で、国指定文化財に向けて調査が進められている。

最新の記事

合計 1370 件中 1ページ目を表示

カテゴリ最新記事