2023年11月24日 17時53分

《農林水産 》

中山間地で飼料作物を栽培し耕作放棄地を解消、飼料の自給率アップを

南州エコプロジェクト㈱の高山穀物乾燥保管倉庫が開所

 南州エコプロジェクト株式会社(森田俊彦代表取締役社長)の高山穀物乾燥保管倉庫開所式が、令和5年11月20日、肝付町前田の同倉庫内で開催された。

 また、開所式を前に、肝付町と南州エコプロジェクト㈱との包括連携協定式が実施され、相互の連携を強化し、肝付町内における畜産飼料等の生産工場や農業、農村における諸課題解決と大隅地域の活性化についてお互いが確認し合った。

 南州エコプロジェクト㈱は、令和3年7月に、大隅の2市3町(鹿屋市・垂水市・肝付町・錦江町・南大隅町)において、濃厚飼料用作物の生産・買取等、豚のエサの自給化(国産化)を目指して設立された会社で、各市町と連携協定を結び、今回、その実践の第一歩として、穀物乾燥保管倉庫を完成させたもの。

 同社は、過疎化が進み、耕作放棄地が増えつつある大隅半島で、今一度踏みとどまって農業で地域を活性化させたい、耕畜林連携に向けて開業。
 今回、飼料米、稲わら、トウモロコシ、甘藷、大豆、大麦、牧草、麦わらなどを乾燥し保管する倉庫を開所させたもの。

 この日は、施設安全祈願、新嘗祭が行われ、同社の大野徹主任が、機械設備等の説明を行い、石松秋治会長が「設立から2年半経ち、抱える課題の一番は、中山間地の畑地での飼料作物栽培。

 大隅半島は中山間地が大半で、その中山間地、畑地、濃厚飼料作物栽培の3条件をそろえたモデル的な特区として大隅半島を支援いただきたい。

 もう一つは、飼料作物栽培には乾燥保管施設と乾燥コストがネックになっており、乾燥施設はまさに悲願。南州農場分だけども数万トンを乾燥させる必要があり、その打開策として、ごみ焼却施設の排熱を利用した乾燥施設建設の実現を目指していきたい。

 それによって、耕種、畜産農家の収益量アップ、競争力ある国産飼料の生産が可能になり、中山間地農業を穴埋めする切り札となりえるのでは」などあいさつ。

 来賓を代表して、九州農政局鹿屋駐在所の菅谷公平参事官、肝付町の永野和行町長、JA鹿児島きもつき農業協同組合の下小野田寛代表理事組合長が来賓のあいさつ。
 
 最後に、森田俊彦社長が閉式のことばを述べ、穀物乾燥保管倉庫事業がスタートした。

 同施設は、令和5年度麦・大豆生産技術向上事業内生産拡大に向けた機械・施設導入(穀物乾燥設備等)事業として、大豆選別機、籾摺機、粒選別機、汎用遠赤乾燥機などを導入し各作物を取り扱い、また、国産資料の生産、買い取り、契約栽培農家や農地借り受け情報なども募集し、飼料の国産化、自給化を目指していく。

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