2023年11月17日 23時09分

《宇宙 》

打上準備が整わないため延期、新たな打上日は未定

24日打上予定の観測ロケットS-520-33号機

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、観測ロケットS-520-33号機を11月24日(金)午後4時~4時30分の間に内之浦宇宙空間観測所から打ち上げる予定だった。

 17日午後、打上準備が整わないため、打上は延期すると発表した。
 新たな打上日は、未定。

 実験期間は、11月25日(土)~12月31日(日)まで。
 実験概要は、次世代のロケットや探査機に向けた先進的宇宙工学技術の実証実験。
今回の実験では、次の4つの観測機器・実験装置を搭載する。
①ロケットから分離したのち着水し回収できるインフレータブル型データ回収シス テム(RATS-L)
②展開伸展型の構造を持つインフレータブル伸展プラットフォーム(IEP)
③実験機器からのデータを効率よく収集するPI データ収集装置(PDC)
④小型で高精度な航行を実現する小型ロケット用航法センサ (NANA)

写真=S-520-33号機 3分の1 模型を持つスタッフ=宇宙科学研究所 研究情報ポータル「あいさすGATE」より

 JAXAは次世代のロケットや探査機に利用する先進的な技術の実証実験を行っており、「S−520」33号機は、大気圏に突入する際に使う「展開型エアロシェル」のシステムや、小型ロケット向けに飛行中の位置や速度を計測する機器など4つの装置を搭載しデータを取得。

 次世代のロケットや探査機に利用する先進的な技術の実証実験を行う。

 エアロシェルは、大気圏突入時に速度を落とすブレーキの役割を持ち、落下するまでの間、無重力状態などを利用して、大気圏への再突入時の温度や速度、気圧などを観測し、エアロシェルの技術を高める。

 データの収集や地上に伝送する検証電子機器の実験なども行うもので、全長8.9メートル、重さ2.3トン。S520の打ち上げは昨年8月以来になる予定だった。

S−520のこれまでの打上げ日とミッション

2022年8月11日 電離圏擾乱発生時の電子密度鉛直・水平構造観測
2021年7月27日 深宇宙探査用デトネーションエンジンシステムの実証実験
2015年9月11日 酸化物系宇宙ダストの核生成過程の解明
2014年8月17日 スポラディックE層空間構造の立体観測
2013年7月20日 電離圏大気中で発生している電磁気的相互作用と電離・中性大気相互作用の全容を明らかにする
2012年12月17日 微小重力環境を利用した均質核形成実験
2012年1月12日 熱圏中性大気とプラズマの結合過程解明
2010年8月31日 電離層中におけるエレクトロダイナミックテザー(EDT)の基礎実験と微小重力環境下におけるテザーを用いたロボットの姿勢制御

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