《雑草 》
安保三文書のもと、国内外、九州でも施設整備、訓練増
複雑化する国際社会の現状から安保三文書のもと、国内外、特に九州に様々な施設整備、訓練が行われ、行われようとしている。
県内では、前回記した鹿屋、奄美などの他、令和６年度からさつま町における火薬庫の適地調査が実施される。防衛省は、さつま町中岳に自衛隊の施設として火薬庫の整備を検討。
そのための適地調査として、中岳周辺の地形等を把握する測量等調査、地盤の強さ等を確認する土質調査、保安距離を十分に確保した配置を検討する配置検討、動植物の生息状況や大気質を調査する環境現況調査を行う。
火薬庫は、令和９年度までに全国に約70棟程度を措置し、おおむね10年後までにはさらに約60棟程度の整備を目標としているという。
馬毛島で着々と進む施設整備
馬毛島については、滑走路の伐採樹木のチップ化を含む伐採工事、造成工事を引き続き実施。
飛行場関連施設では、
自衛隊機及び米軍機が駐機等を行うための駐機場等施設。
航空機の整備・格納等を行うための格納庫。
管制塔、庁舎、通信局舎、飛行管理棟、補給倉庫、消防車庫、隊舎、食堂、浴場、厚生施設、体育館、運動場、構内道路、ユーティリティ施設等、基地の運用支援に必要となる施設及び隊員の宿泊等のための飛行場支援施設等。
航空機燃料、船舶用燃料、車両用燃料等を貯蔵する燃料タンク、タンカーからの燃料を受け入れるための施設、燃料配管等の燃料施設、本施設の運用や警備等に必要な火薬類を貯蔵するための火薬庫等の貯蔵関連施設。
不整地着陸訓練施設及びF-35B模擬艦艇発着艦訓練施設。
などが整備される。
港湾施設では、
本施設への人員、燃料、資機材等の海上輸送、艦艇の停泊及び補給等を目的とした係留施設等。具体的な内容は、防波堤、一般桟橋、燃料桟橋、消波堤防、接続施設等の係留施設等
緊急時の揚陸、輸送、訓練等のための救難機やエアクッション艇等の揚陸施設。
施設整備に必要となる資機材等を搬出入するための仮設桟橋
などを整備。
喜界島における降下訓練も実施
また、喜界島における降下訓練が先月、次の内容で行われた。
離島生地での大規模空挺降下を演練し、戦術・戦闘技量の向上を図るとともに、抑止及び対処の実効性向上を図るもの。
自由降下＝陸自ヘリコプターを使用し、高度約4000～6000feetの洋上から降下、約10kmを滑空し島内の降下地域に着地
空挺降下＝米軍機を使用し、高度約1000feetから降下、島内の降下地域に着地
地上訓練＝防衛省喜界島通信所、廃校等を利用した市街地訓練や生存自活訓練等を実施
地域貢献活動＝装備品展示や海岸清掃等を実施
参加部隊等は、日側が陸上自衛隊第１空挺団、第１ヘリコプター団。
米軍が、米空軍第３７４空輸航空団（支援）
令和６年度陸上自衛隊主要訓練・演習
さらに、令和６年度陸上自衛隊主要訓練・演習は、令和６年９月～11月に行われるほか、
日米共同訓練では、日米共同対艦戦闘訓練がリムパック（ＲＩＭＰＡＣ）、米陸軍との実動訓練が、オリエント・シールド（ＯＳ）、 島嶼部における共同作戦について演練する（ＪＰＭＲＣ）、ノース・ウインド（ＮＷ）。
米海兵隊との実動訓練が、レゾリュート・ドラゴン（ＲＤ）、第３海兵機動展開部隊との共同訓練アイアン・フィスト（ＩＦ）、日米共同基地警備訓練 。
二国間訓練も、仏陸軍、英陸軍、印陸軍。
多国間は、米豪軍、米尼軍等、米比海兵隊、日米豪共同指揮所演習など。
ホーク・中ＳＡＭ（０３式中距離地対空誘導弾）部隊実射訓練、国内における米空軍機からの降下訓練、北海道訓練センター実動対抗演習など様々な訓練が国内外で計画。
統合作戦司令部の新設、改正も
海上自衛隊では、これまでインド太平洋方面派遣訓練、米海軍主催多国間共同訓練、日米印豪共同訓練、西太平洋潜水艦救難訓練が行われているが、陸上自衛隊では実践的な訓練が、かなりな頻度で実施され、予定されているようだ。
そしてこの16日には、統合作戦司令部の新設、改正案である「自衛隊の陸海空部隊を一元的に指揮する常設の「統合作戦司令部」新設のための自衛隊法などの改正案」が衆議院を通過。
在日米軍司令部の体制強化を念頭に、岸田首相とバイデン大統領の首脳会談では、日米それぞれの「指揮統制の枠組み向上」で合意がなされ、さらに両司令部の連携が強化されていく。
それでは海自鹿屋基地はどうなっていくのか、総額５００～７００億円規模で格納庫や倉庫、整備場など12棟を建て替え、隊舎や史料館など９棟を改修することが決まっている。
次は、一昨年12月に閣議決定された「防衛力整備計画」の内容に少し触れてみたい。（米永20240418）
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