2025年10月29日 10時11分

《大隅点描 》

キバナノホトトギス咲く~黄花で染まり壮大な景観

 宮崎県中南部の尾鈴山から鰐塚山系にかけての明るい照葉樹林下に固有種のキバナノホトトギス(ユリ科)が開花を始めた。

 茎の高さは5㌢~25㌢と幅があり、葉腋から2㌢~6㌢の長い花柄を出し、1個から2個の輝かな黄花を上向きに開く。

 茎髙のあるもの花数を多くつける。
 1個の花の命は3日間だが、群落性であるので11月上旬まで見られ、タイミングの良い日は黄花で染まり壮大な景観となる。

 一方でキバナノホトトギスの小型がチャボホトトギスと誤認され紹介されることがあるが、チャボホトトギスは雌雄同熟の自殖型であり1日花で終わる。

 花品種であるキバナノホトトギス(宮崎県中南部))、キバナノツキヌキホトトギス(宮崎県尾鈴山)、タカクマホトトギス(鹿児島県高隈山、肝属山系)は、いずれも太平洋岸に連続した固有種として分布しており、地理的気候の影響を受けて育んだことが見て取れ、壮大な歴史のロマンが垣間見え貴重である。

 キバナノホトトギスの花を見るには、宮崎県三股町から県道33号線を走り、鰐塚山下山口のある矢立トンネル入口目前右側の大駐車場に車を停め、登山口となりほぼ平坦な旧道(登山道)を30分ほど歩くと左側に群落地、さらに30分登山すると2番目の群落地に達する。

 その他、宮崎市の加江田渓谷で見られる。

 大隅の自然・歴史研究
 坂元二三夫

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