《地域づくり 》
早期の温泉施設および宿泊施設建設が住民の願い!
2020年9月から休館し、現在現在解体工事が行われている最中の温泉・宿泊施設「コスモピア内之浦」。
1998年開業で、宿泊施設、大浴場・サウナを備えた温泉施設、宴会場、会議室、レストラン、売店などの設備があり、地元民の憩いの場、宴会や交流の場、観光・帰省客やロケット打ち上げ施設関係者の利用でにぎわっていた。
コロナ禍もあり運営事業者が撤退してから、「国民宿舎コスモピア内之浦のあり方検討員会」を2021年3月に設置し諮問。
12月には、規模を縮小した新施設の整備方針を提示などの答申が発表された。
この間、内之浦の地域住民の間では、2021年4月に「コスモピア内之浦の早期改修と再開を求める会」を発足させ、6月には、早期改修と再開を求める嘆願書3200人を超える署名を町に提出。11月には請願書も提出。
12月には早期再開を求める看板の設置など活動をし、その後も話し合いや活動を続けてきた。

町と優先交渉権者との話し合い今も…
町側は、2023年3月に町幹部やマネジメント会社による住民向けの説明会を開き、内之浦地区でのロケット事業などを中心に説明があった。
2023年12月からは、同施設の運営に係る優先交渉権者公募が行われ、2024年3月には、優先交渉権者を選定。
決定した優先交渉権者が解体後の跡地利用を希望していると説明があり、6月補正で国民宿舎コスモピア内之浦の解体に係る設計監理業務委託料を計上した。
解体の方向を受けて住民側は、「コスモピア内之浦の早期改修と再開を求める会」から「コスモピア内之浦を愛する会」として2024年12月に「町議会との意見交換会」で住民側の意見を発表し合っている。
そして2025年1月には、優先交渉権者による白紙撤回の申し入れがあったものの、町側との話し合いで継続して新施設の整備の協議をすすめていくこととなった。
町としては、町と優先交渉権者との話し合いを進め、もし協議が整わなかった場合は、町が整備していくという方針も打ち出している。
この現状で解体工事が2025年2月から進められ、2026年3月に解体完了予定となっている。

建設スケジュール明確に…などの嘆願書回答なく
町と優先交渉権者との新施設整備協議は、継続中とされている中、解体後の跡地利用の青写真等が見えない…と、今度は「コスモピア跡地に早期建設を求める会」が2025年9月22日に「早期の温泉施設および宿泊施設建設を求める嘆願」として、町民ら3366人の署名簿を添え、永野町長に手渡した。
嘆願内容は、
1.新たな温泉施設と宿泊施設の具体的な建設計画を早急に策定し、住民に公表すること。
2.建設スケジュールを明確にし、早期着工、早期完成を目指すこと。
3.建設にあたっては、住民の意見を十分に聞き、地域ニーズに合った施設とすること。

写真=内之浦を盛り上げ、地域おこしのお揃いTシャツも
これに対して、永野町長は10月6日付けで、次の要旨回答を行った。
「令和7年9月22日に受領いたしました嘆願書につきましては、現在優先交渉権者と協議中でございますので、ご理解いただきますよう、お願いいたします。
今後も貴会を中心に地域が発展いたしますことを祈念するとともに、町政へのますますのご高配をお願いいたします。」
解体が完了したまま何ができるのかも分からない
この回答に対して、コスモピア跡地に早期建設を求める会は、10月18日に会合を開いた。
柳川早百合会長は、「皆さん同じ意見でしたが、今回の町長の回答は、嘆願書にある3つの項目に対しての答えが何もなく、回答になっていない。
私たちは、3つの要望に対しての内容のある回答を求めており、町長が今どう考えているのかを教えて欲しいということです。
(9月22日の)嘆願書提出のあとの報道に対してのインタビューで『地域のみなさんとしては、5年間放置しているのではないかという思いも確かにあるとおもう。スピード感をもって対応していきたい』という内容とはかけ離れていると思う」など話していた。
また会員の一人も「予想はしていましたが、せめて優先交渉権者との途中経過でもお話しいただければ…とも思うが、何も変わってない。解体が完了しても、さら地が残るだけで、何ができるのか分からないでは、町民の不満と不安は募るばかりだ」などと訴えていた。
