2024年04月16日 14時01分

《防衛 》

「今後の日本の安全保障と日米同盟」講話~鹿児島水交会

 令和6年度鹿児島水交会(重水義也会長)定期総会が、令和6年4月13日、鹿児島市のホテルタイセイアネックスで開催され、大西哲海上自衛隊第1航空群司令らも出席し、元統合幕僚長で公益財団法人水交会理事長の河野克俊氏による講話を聴いた。

写真=昨今の自衛隊を取り巻く環境に変化が出てきた~などあいさつする重水会長

 重水会長が、「昨今の自衛隊を取り巻く環境に変化が出てきた。この会がさらに発展する土台ができてくるのでは」などあいさつし、鹿児島県郷友会、福島卓会長代理の村山文彦副会長、松浦幸一自衛隊鹿児島地方協力本部長、大西群司令、河野理事長らの来賓紹介があった。
 次の審議が行われた。
 令和5年度鹿児島支部活動実績では、「東郷平八郎記念日」式典を主催。
鹿屋航空基地開隊記念行事、自衛隊記念行事追悼式、串良特攻碑慰霊祭、鹿屋航空基地春のつどいなどに参加。

 令和5年度決算及び令和6年度予算報告、監査報告があった。

 令和6年度活動計画では、大村・佐世保地区の基地研修実現、ウクライナ戦争の長期化に鑑み、陸戦に関する造詣を高めるため、陸自駐屯他の研修、当年度は鹿屋航空基地での研修を計画。長期目標として、奄美地区、馬毛島の研修を視野に入れておく。
 第71回東郷平八郎記念日式典は、6月2日(日)10:00~12:00、鹿児島市多賀山公園で開催。

 役員の改選があり、重水義也会長や長倉俊一副会長らが留任。伊原靖裕氏(有志)が幹事新任となった。

写真=大西第1航空群司令らが来賓あいさつ

 元統合幕僚長で、水交会理事長の河野克俊氏による「今後の日本の安全保障と日米同盟」演題での講話があった。

 河野氏は、父親の克次さんが特殊潜航艇を搭載した伊16潜水艦の機関長として真珠湾攻撃に参加、横山中尉、上田二等兵曹が特殊潜航艇甲標的に乗り込んだ時のやりとりやエピソードを話した。

 海上幕僚長時代に当時の安倍総理が硫黄島を訪れたときに同行し、総理が滑走路で突然ひざまずいて合掌、祈りを捧げ、コンクリート面を撫で始めたということを目の当たりにして、リーダーの歴史観、国家観が言われるが、その根底に戦没者に対する慰霊の念があるかないかで決まる

 また、統合幕僚長時に、当時のバイデン副大統領にホワイトハウスに招かれたとき「副大統領と日本の自衛隊トップが会うことが中国に対する強いメッセージになる」「当時の中国国家副主席の習近平に何回も会っていて、世界で一番習近平のことを知っているのは俺だ」など話していたエピソード…など語った。

写真=日本の安全保障について話する水交会の河野理事長

 ウクライナとロシアとの戦いについての流れと、現状、ロシアの民族性などについて触れ、この戦いが世界の安全保障に大きな影響を与えた、核を持っているロシアが、持っていないウクライナを未だに威圧し続けており、核不拡散体制に相当大きなダメージを与え、これは想定していなかったこと。

 日本は、アメリカの核の傘のもとに全面的に依存している。これまでそれで納得し、異論をはさむ人はいなかったのではないか。これがウクライナ戦争で日本人の心理状況は変わってきているのではないか。安心感は落ちている、その辺りを議論すべき時にきている…など。

 また、米中対立と台湾問題については、毛沢東、鄧小平時代には、純粋に大陸国家だった。それが中国の経済が発展し力をつけ、今度はグローバルに展開、習近平時代に海洋国家になった…として、東シナ海、南シナ海、中国のいう第一列島線、第二列島線について、香港、台湾、尖閣諸島のことにも触れ日本の立ち位置を考えると「日本の安全保障の限界にきているのでは」などと話した。

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