2024年01月26日 16時20分

《空家再生 》

空き家再生、東京や兵庫、福岡、熊本など全国から参加

古民家岩元邸の現地見学会・講演会・ワークショップ

 古民家岩元邸の現地見学会・講演会・ワークショップが、令和6年1月21日、鹿屋市本町商店街にある岩元邸で開催された。
 遠くは東京、兵庫、福岡、熊本などからも参加、60人を超える参加者がコミュニティー大工の加藤潤さんによる講演を熱心に聞いていた。

写真=岩元邸内の会場

 古民家岩元邸は、鹿屋市中央地区商店街内にある築102年、建坪80坪、10部屋ほどの立派な古民家。

 釘を使わない木組みの工法、家を支える立派な太い梁、一枚板の小上がり床、欄間彫刻、天井の造作、窓の寄せ木細工など、歴史的、文化財的な価値のある建物。

写真=天井裏も見学

 見学会では、天井裏が見られるように脚立が置かれ、太い梁を見学したり、浴室天井の美しい造作、釘を使わない中庭に面した戸窓の寄せ木細工などを見ながら、「普通はだったらここがサッシになっていたりしますが、102年前の造作がそのまま残っているのが素晴らしい。文化財的な価値があると思う」など話をしていた。

 講演会では、同プロジェクトの久木田弘会長が「40年くらい前、桜デパート、遠矢百貨店があって一番賑やかだったころのここの商店街は70店舗ほどあったのですが、今は20店舗弱。空き家も増え寂しい地区になっている。

 アーケードなど活性化のためのいろんな活動もやってきました。ただ店舗はなかなか埋まらない。商店街に人が来ることを考えていたところ、ここの家主さんが商店街のために使ってくださいと許可をもらった。

 今日は加藤さんの講演を聞き、この岩元邸の空間をみんなで知恵を出し合い利活用するアイデアを出してもらい、商店街の活性化にも繋げていけるような講演、ワークショップに」などあいさつ。

写真=全国各地から参加し受付

加藤潤さんが、「今、空き家の問題がいろいろ言われるが、考え方によっては、地域の資源である、そういったことも含めてお話ししたい」として、タツノオトシゴハウスなどの活動含め、自己紹介。

 DIYとコミュニティの力で不動産、建築、まちづくりを繋ぐというコミュニティー大工活動、地元頴娃町の20数軒の空き家再生、志布志市や南大隅町などの事例を紹介。

写真=コミュニティ大工、加藤さんの講演

 空き家問題をネガティブ目線でなく、再生・活用するポジティブ目線で、建築や不動産のプロとしてでなく、プロに協力してもらい地域で取り組む空き家再生における地域や行政とのつながり。

 空き家再生のツボは、合意形成、いろいろな助成金など予算確保、小さなものから経験を積み、助成に過度に依存し過ぎないこと。

 改装後の運営、物件の状況に見合った用途と改装方法。借主側でほぼ自由に回収できるように契約、原状回復なしを契約に盛り込む、DIYで出来ることからやってみる、など具体的な実施主体の在り方。

 地域密着とと尖った活動の双方への配慮が不可欠で、絶妙なバランスが大切。

写真=岩元邸再生の話も聞き、グループ討論

 空き家を交流拠点からカフェ・食堂へ、自走への流れなど作っていき、行政助成はありがたいが、持続性、出口を意識、出口戦略が必要…など語り、交流拠点、農業や観光、シェアハウス、住居や職場、シェアオフィス、ゲストハウス、民宿、ヨガスタジオなどの具体的例を示し説明。

 いかにして地域での空き家再生をソーシャルビジネスとして進めるか。
 空き家は目的でなく手段、空き家を活用して何をするか、何をするかより誰がするか。

 空き家は地域課題ではあるが、うまく使えば地域資源。この商店街の中に岩元邸がこの状態で残っていることは地域の宝です…など話した。

 空き家活用ワークショップでは、加藤潤さんをアドバイザーに、事業概要&経過報告、使用条件などが説明され、参加者で4~5人のグループを作り活用アイディアワークを行い、それぞれのグループで発表が行われた。

 次回のワークショップは、2月10日13:30に岩元邸で6回目が行われる予定。

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