2025年07月21日 22時32分

《オーガニック給食 》

子どもたちの給食の有機食材採用を求める要望書 肝付町へ

 大隅半島オーガニック給食の輪による「子どもたちの給食の有機食材採用を求める要望書」が、2025年7月16日、永野和行肝付町長宛に提出し、受理された。

 大隅半島オーガニック給食の輪は、子どもたちに安心安全な給食を食べさせたいと願う母親たちが集まり活動しており、今回、次の内容で肝付町の関係部署へ要望書を手渡したもの。

 今年3月に鹿屋市に対して要望書を手渡しており、鹿屋市では6月に有機小松菜給食がスタートしている。

 要望書の内容は次の通り。

⼦どもたちの給⾷の有機⾷材採⽤を求める要望書
肝付町⻑  永野和⾏ 殿

⼤隅半島オーガニック給⾷の輪
⿅児島県肝属郡肝付町南⽅929 メンバー 清⽔⿇友

 ⽇頃より肝付町政の発展にご尽⼒くださり感謝申し上げます。
 この署名は、⼦どもたちに安⼼安全な給⾷を⾷べさせたいと願う⺟親たちの集まる「⼤隅半島オーガニック給⾷の輪」から始まりました。私たちは、⼦どもたちの⼼と⾝体の健やかな成⻑のために有機⾷材{※)を給⾷に使っていただきたいと願っています。

 私たちの中には、わが⼦の発育障害(発達障害、精神疾患、アレルギー・アトピーなど)や、家族の健康問題などに深く悩んでいる⼈や、わが⼦の⾷をめぐる社会環境に不安を感じている仲間がいます。

 教育現場に携わる仲間のひとりは「集中⼒⽋如の⼦どもたちが年々増えているのを実感している」と⼦どもたちの異変に危機感を覚え、調べたところ統計的にも特別⽀援学級の数が実際に急増していることが分かりました。

 私たちは、ひとつの可能性として、利益重視や効率化重視で収穫量を増やしたり、⾒栄えをよくするために使⽤している消毒剤・除草剤・殺⾍剤などの農薬類と化学肥料等の微量成分が⾷べもの中に含まれていることが原因のひとつではないかと考えています。

 その⼟地でとれた旬の有機⾷材には「⽣命⼒」があります。医⾷同源という⾔葉があり、⾷べものは⾝体を作り、また⾝体の病を治してくれます。

 国が許可した農薬だから使⽤しても安全という発想ではなく、多少形が悪く作業効率が落ち、価格が⾼くなったとしても、「⼦どもたちが⾷べる⾷材は、⼤⾃然の⽣命⼒のある⾷べものであること」を最優先に考えていただき、有機⾷材を⼤切にしてほしいと切実に願っています。
 また、作り⼿の思いが込められる温かい「⾃校調理⽅式」も、できることなら復活していただきたいと願っています。

 ⼦どもは未来を⽀える社会全体の宝物です。⼼と⾝体が健やかに発達するために学校給⾷は必要不可⽋です。段階的に1品からでも前向きに取り組んでいただけますよう、以下の通り要望いたします。
 ※ここでの有機⾷材とは、有機 JAS認証ではなく「化学薬品不使⽤の農産物を含む⾷品(農薬不使⽤・無化学肥料・⾮遺伝⼦組み換え・⾮ゲノム編集)」の意味で使います。

【要望】
 ①パンや麺の原料⼩⻨は「国産⼩⻨」を使⽤してください。(九州産や地元産は尚可)(※注1)
 ②⽶・野菜等は「有機農産物」を使⽤してください。(九州産や地元産は尚可)   
 ③塩と砂糖は「精製されていないもの」、調味料は「合成保存料・合成⽢味料・合成アミノ酸・遺伝⼦組み換え不使⽤のもの」を使⽤してください。
 ④⾁⿂卵などのたんぱく質は地元産のもので、なるべく⾃然に近い環境で飼育、捕獲されたものを使⽤してください。
 ⑤有機農産物の取り扱いに際し、不揃いで泥付きの野菜などを処理するために必要とされる下処理施設及び関連設備のための追加予算を確保してください。
 ⑥有機農産物の取り扱いに際し、複数⽣産者からの受け⼊れ調整等が必要になるなどの付随する追加負担について、対応職員の増員、関連職員の給与増額(栄養⼠、調理員等)等のための追加予算を確保してください。
 ⑦有機⾷材に変えて差額が⽣じた分は⾏政側が負担してください。
 ⑧有機⾷材を納⼊する⽣産者が増えるように⽀援をしてください。
 ⑨⾏政は農薬散布(航空防除、ドローン散布含む)を積極的に推進しないでください。
※注1︓アメリカ・カナダ産⼩⻨は収穫前に枯葉剤 (グリホサート)を散布しているため残留農薬が検出されています。学校給⾷のパンについて農⺠連⾷品分析センターが 2019年6⽉〜2020年1⽉に調べたところ、14個のうち 12個から検出されました(うち不検出2個は地場産⼩⻨粉や⽶粉)。私たちは学校給⾷での輸⼊⼩⻨を使⽤した⾷品を⼦どもたちに⾷べさせることに強い不安を感じています。

 この日は、清水麻友メンバーと竹中愛実共同代表が訪問し、学校給食やオーガニックについてのDVDを鑑賞し、肝付町の福元了副町長に要望書が手渡された。

 また、内之浦地区での有機野菜についてや、肝付町でのいっぺこっぺマルシェでの有機野菜販売、有機JAS認定農家向けの補助内容、農薬等の発達障害への影響などついてや、町長の有機食材利用の考え方などを話し、今後、給食の有機食材採用の可能性などが話し合われた。 

 大隅半島オーガニック給食の輪は活動を始めて4年近くなり、オーガニックに関する映画、『いただきます』『希望の給食』『タネは誰のもの』上映会や意見交換会、懇談会など活動を行っており、会員同士の情報交換で意識を高めている。

 鹿屋市での有機小松菜を使った給食がスタートするなど、「当初に比べるといい方向に変わったなと感じており、今回、皆さんの思いを要望書という形で肝付町に届けられ、さらに活動を続けていきたい」など話していた。

大隅半島オーガニック給食の輪 インスタ 

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