2026年02月13日 20時52分

《雑草(コラム) 》

クリーンで美しい石炭の復活と人新世と

 トランプ大統領は、「クリーンで美しい石炭は復活する」と、温室ガス規制の根拠を撤回する発言を行い、温室効果ガス規制の根拠としてきた化石燃料に対する「危険性判断(endangerment finding)」規定を正式に廃止した。

写真=署名するトランプ大統領(ホワイトハウスHPから)

 そして、「ここ数か月の間に、日本、韓国、インドなどと米国の石炭輸出を画期的に増やす歴史的な貿易合意を結んだ。いま世界に向けて石炭を輸出している」と強調。

 「気候危機はでっち上げだ」と主張してきたトランプ大統領が、各種気候変動対策の中核的な土台となってきた政策から転換。
 エネルギーコスト削減と原油・石炭輸出拡大を優先し環境規制の法的根拠そのものを撤廃したことになる。

 石炭だけでなく、化石燃料を使用する自動車や工場、発電所に対する規制は大幅に縮小されることになる。

 トランプ大統領は危険性判断について「米国の自動車産業に深刻な打撃を与え、消費者に莫大な価格上昇をもたらしたオバマ時代の破壊的な政策だった」とし、「今回の措置で1兆3000億ドル(約198兆円)以上の規制コストが消え、自動車価格は急落する」と主張。
 「より良い車を手にすることになる。始動しやすく、より低コストで効率よく動く車になる」と付け加えた。

 また「石炭は最も信頼できるエネルギーだ」と主張、「石炭を多く使うほど米国民の懐に入る金は増える」とし、世界が環境汚染削減のため消費を減らしている石炭産業を拡大する方針を打ち出した。
 石油会社をはじめとする化石燃料関連企業は、トランプ氏に巨額の政治資金を提供する主要な支持層とされる。

パリ協定から再離脱し化石燃料危険性判断規定を正式廃止

 石炭産業拡大宣言は、世界的な脱炭素・カーボンニュートラルの流れに逆行。
 韓国も2040年までに石炭発電を終了する方針を掲げているため、輸出のターゲットになっているという。

 環境団体「環境防衛基金(EDF)」によると、危険性判断の廃止により米国では2055年までに最大180億メートルトン(metric ton)の追加の温室効果ガス排出が見込まれる。
 これは米国が昨年排出した量の約3倍に当たる。この規模の追加汚染により2055年までに最大5万8000件の早期の死亡と3700万件のぜんそく発作が追加で発生する可能性があると同団体は指摘。
 今回の措置に対し大規模な訴訟を起こす方針を示しているという。

 パリ協定から再離脱し、気候変動対策における国際的な役割に影響を与えているアメリカ。世界第2位の温室効果ガス排出国でもあり、パリ協定の目標達成を困難にするとされている。

巨大隕石の衝突に匹敵するほどの地層の変化「人新世」

 今、人新世(じんしんせい)ということが言われ注目されている。
 これまで巨大隕石の衝突や地球規模の火山爆発、氷河期等で多くの生物が死滅してきたような地球の歴史は、その地層の質や色がまったく変わるなど大きく表れ、地層年代として区分されている、今は完新世。

 18世紀半ばから19世紀にかけて起きた産業革命以来、地球の地層は、化石燃料の消費増とともにその質や色も変化、巨大隕石の衝突と同じような大きな影響を与える結果に到達するのでは…と、警鐘が鳴らされている。

 地球が誕生して45億年の間に様々なことが起こってきたが、人類が化石エネルギーを使うようになってからというごく短い間で急激に変化が起こり、地層にしっかり示されているという。

 識者、専門家からは、地球はもともと人間の存在なく生まれ、そして終焉を迎えるのも人類がいない状態で消滅していくのでは…など伝えられている。

 私たちの毎日の生活の中でも、これまでとは違った環境の変化を感じたりする。
 強国の論理、そして小さな島々で国自体が水没していくのではと危惧されている弱い立場の国々。
 私たちの住む地域も影響はあるのか、そして日本の立ち位置は…。(米永20260213)

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