2026年04月29日 10時35分

《雑草(コラム) 》

核拡散防止条約 そして殺傷型攻撃ドローンの日本生産?

 5年に1度の「NPT=核拡散防止条約」再検討会議が、令和8年4月28日から始まり、日本から訪れた被爆者団体などが会場となる国連本部まで行進し、核兵器の廃絶を訴えたという。

 参加国の全会一致が必要な最終合意文書を取りまとめることができるかが焦点となっている。

 過去2回の会議では中東やウクライナをめぐって意見が割れ、採択できておらず、今回も採択できなければ、条約が空洞化する可能性があるとされている。

 世界各地で紛争が続く中、NPT体制の重要性を再確認できるのか注目される中で、イランは、ホルムズ海峡をめぐる問題の解決を優先し、核問題の協議を先送りするとした新たな提案をした。

 一方でトランプ大統領は、自身が求める核開発の放棄などに応じる意思がない…と言及する反面、イランとの交渉を継続、ホワイトハウスは数日中にイラン側に回答と対案を提示する見通しとも伝えられている。

 ただ歴史を少し遡り、トランプ大統領は第一次政権時、2018年にイランの核開発に関する共同包括行動計画(JCPOA)から離脱し、この計画に基づき解除していたイランに対する経済制裁の再開している。

 この時、欧州などの強い反発を受けても、イランの存在そのものが中東地域における不安定要因として、核兵器開発能力だけでなく、未来永劫に渡って核開発が出来なくし、ミサイル開発をも封じ込めようとし、敵性国家として最高レベルの制裁で追い詰め、無力化しようとした。

 そして米国内では、バイデン政権時に「次期大統領選で当選したら1日だけ独裁者になって、行政関係者やその他の全てを一掃したい」と発言し、政治的暴力を示唆。

18世紀型の帝国主義の復活?

 さらに第2次政権で、復権初日から大統領令を乱発し、米国をかつてないほど偉大な国にすると宣言。
 大統領、連邦議会、連邦最高裁の三権分立を崩し、大統領の権限を一方的に広げる「単一執行府論」を持ち出し、18世紀型の帝国主義の復活を目指している…ともされ、中露と対抗するには、相手国と同様、独裁者のようになり、これまでの同盟国、国際機関の存在を無視してきた…とも指摘されている。

 一日だけ…ではなく、その後も、ウクライナの頭越しにロシアのプーチン大統領と交渉し、ウクライナの鉱物資源の利権を入手しようとした。
 国際法違反と言われながら、国際法は必要ないとして、ベネズエラのマドゥロ大統領を拘束。
 グリーンランドを所有する必要があると述べ、そして今回、イスラエルとともにイラン攻撃、世界中で混乱、混迷が続いている。
 ホルムズ海峡を巡り、米国内の分断だけでなく、世界の分断を招いている。

 そうした中でも、イランを責めトランプ政権を擁護するような論調もあるから不思議だ。

 思い出して、ほぼ1年前の雑誌を探してみた。
 その中に「世界へ波及する『トランプ革命』の激震」「3.11と米トランプ大統領の世界平和革命の神髄」などが投稿され、また「いろいろ意見はあると思いますが、トランプ大統領は行き詰った人類文明を破壊するための使命を帯びて世界のリーダーとして選ばれた……」などが記されている。

 1年前と言えば、私の周りにも、トランプ大統領を熱烈に支持する人もいた。
 人それぞれなので、いろいろな主張をされるのは自由なのだろうが、今になっては現に米国内の分断、世界の分断だけでなく、私たちの生活にも直接降りかかるような影響を与え、今後それが増幅していく、間違いなく…。

日米両政府が防衛装備共同開発で協力体制

 そして恐れるのが、NPT=核拡散防止条約が空洞化していくことであり、さらには、日本と米国がドローンをはじめとする先端兵器の生産分野で連携を深めている…というニュースが流れたこと。

 日米両政府がデュアルユース(軍民両用)技術を活用した防衛装備の共同開発で協力体制を固め、その第1号案件として米スタートアップが開発したドローンを日本国内で生産する方向で調整を進めていると報じられた。

 ロシアとウクライナの戦争では、偵察としてのドローンではなく、現に民間無人機が戦闘に使われてまちを爆破し殺傷しており、日本製ドローンも第三国の戦場で利用され、殺傷型攻撃ドローンとして実戦投入されるような輸出になりやしないかと懸念されている。
 

 米国・イスラエルとイランが長びけば長引くほど、米国で開発されたドローンが日本で大量生産され、殺傷能力のある攻撃型ドローンとして現実に戦闘で使われたりする可能性もあるということになるのだろうか。

 間接的な戦争当事者になる…、自らの意志でということでないことを信じたいし、ディール至上のトランプ政権だからこそ押し切られたということなのかもしれないが、今のこの1日だけに終わらないトランプ政権と、こうした形で連携を深めていくということは、世界の分断に加担していくことになりやしないか。

 このご時世で、日本という国を守るために、しなければならないことがあるのは承知しているが、果たしてこれは…。(米永20260429)

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