2024年02月07日 09時17分

《芸術・芸能 》

構成が素晴らしく絵具の定着度が重厚感増し、安定した秀作

 第42回鹿屋市美術展表彰式が2月4日、鹿屋市のホテルこばやしで開催された。

写真=志村実行委員長があいさつ

 主催者の志村正子鹿屋市美術展実行委員長と中野健作鹿屋市教育委員会の挨拶があった。

 表彰状贈呈は志村実行委員長が鹿屋市長賞の長崎雄二さんの洋画「息吹・田崎池にてⅡ」から始まり、生涯学習賞まであった。

写真=中野教育長があいさつ

 長崎さんが「大きな地震・航空機事故から令和6年が始まった状況の中で、普通に生活できることの幸せを改めて感じる毎日です。
 この度の受賞は、何よりの喜びであり、これからの創作活動の励みにもなります。今回の絵は、田崎池に棲む生き物たちの息吹を感じられるように表現しました。
 これからも、自分なりの表現を楽しんでいきたい」など受賞者あいさつ。

田畑明美審査委員が「全体的には出品者が減っているが、作品のレベルは上がっている。審査は、審査委員すべて同じ目線で評価した結果です。今後とも鹿屋市美術展を盛り上げていきましょう」などと講評した。

写真=鹿屋市長賞 長崎さんの「息吹・田崎池にて」

個別講評(一部作品)は次の通り。

●洋画
▽鹿屋市長賞「息吹・田崎池にて」長崎雄二
 画面構成が素晴らしい作品です。絵具の定着度が作品に重厚感を増し、安定した秀作です。

▽まちづくりかのや賞「嵐の後(古江小島)」春口直彦
 描き慣れた作品で、落ち着いた作品です。上部の遠近が効果的に表現されています。

▽鹿屋ライオンズクラブ賞「女神の微かな希望Ⅱ」西留利義
 昨年の作品よリアート感が増しています。
 黒ブチの線が作品を効果的に引き締め、動きも加わり、作品が大きく見えます。

▽南日本新聞社賞「17368」篠原寛人
 やわらかな色彩で「生命」をさらりと描いてあり好感が持てる作品です。しっかりとした画面構成で、ふしぎな雰囲気の室内が表現されています。

写真=南九州新聞社賞の篠原さん㊨

●工芸
▽鹿屋市議会議長賞「牡丹」松井香代子
 黒土に白化粧土を施し、かき落としの技法でおおらかな牡丹の絵が表現されています。
 絵も細部まで丁寧に描き込まれていて、白と黒のバランスがすばらしいです。絵の上にわずかながら彩色したのも効果的でした。

▽T氏(新人)賞「はばたく」徳永香魚子
 大胆な作風で、今にも動き出しそうな躍動感のある作品に仕上がっています。色付けも全体が複雑な造形になっているので、少ない色で仕上げたのは良かったです。下の青のボカシも爽やかで効果的です。今後もおもしろい発想に期待したいと思います。

写真=受賞者を代表してあいさつする長崎さん

●写真
▽鹿屋市教育委員会賞「台風一過」河野純一
 台風で鹿屋の浜辺に打ち寄せられた漂着物に、何事もなかったように静かに寄せる波。
 遠く離れた開聞岳など、夕日に染まった鹿屋市の海岸が美しく描かれている台風一過の作品です。

▽鹿屋商工会議所会頭賞「輝きの感動物語」吉行秀和
 船上から海鳥にエサを与える子どもさんの写真で、逆光に輝く海・船舶・海鳥・子どもさんをブルーで爽やかに描いた作品です。

▽鹿屋肝属法人会賞「新しい家族!!」森美佐子
 赤ちゃん誕生を、満面の笑みで喜ぶ母親の姿が伝わってくる写真です。おめでとうございます。

▽池田病院賞「旅立ちの時」福重千代子
 大木の樹洞で誕生した4羽のフクロウが、可愛く目をぱっちり開いて枝に止まり、いよいよ旅立ちます。

▽鹿屋市文化協会賞「能登の荒海」松村信雄
 令和6年能登半島地震で津波が発生した、かつての能登海岸。実家の能登に里帰りした時に撮影した写真で、日本海の荒れ狂う海がよく表現されている写真です。1日も早い復興を願います。

●手工芸
▽MBC南日本放送賞「子供達の無病息災を祈願するさげもん」坂口栄子
 今回初の傘福さげもんつるし飾りは、年月、時間をかけ、グラデーションもすばらしいです。子どもの健やかな成長への願いが伝わってくる作品です。

▽大隅美術協会賞「秋の散歩径」竹山明子
 ホトトギス「永遠にあなたのもの」の花言葉を、クレイ(樹脂粘土)で三色の花を作り、S字デザインしたアレンジが素敵です。黄色ホトトギスは、高隈山の天然記念植物でもあります。

▽大隅はんどくらふと協会賞「いろりばた」上久保順子
 伝統的日本家屋での老ご夫婦のほほえましいひとときが表現されています。細やかな作品に感動いたしました。

▽奨励賞「宙(七宝焼)長倉淳子
 6枚の七宝の中に色々な空の技法が素晴らしい作品でした。

 表彰式終了後に、懇親会が開催された。

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