2024年02月29日 22時08分

《雑草 》

額の問題ではなく、地方がそれらに気付くかどうか…

 前回、「ナポレオンの村」「ローマ法王に米を食べさせた男」のことに触れ、大隅半島にこそ、ヒントがいっぱい…とも書いた。

  それは、宇宙のこと、農業が基幹産業、人口減少や過疎化がテーマだったが、「ナポレオンの村」では、核廃棄物処分場を推進するために、市長が一つの村の廃村を目論むという設定があり、宇宙と核廃棄物処分場というテーマは、まさしく大隅半島のことだと思った。

写真=宇宙でまちおこし…この大隅半島にも…

 過疎の村に降りかかる、村の存続をも大きく左右するような国の施策、方針だが、この大隅半島に住んでいて、それは一自治体だけの問題ではなく、特に農林水産業の盛んな地域では、広く周辺にも関わることになる。

 それを一自治体の首長の選挙で、それを公約にして戦うという手法は、どうも馴染めないと思ったし、周辺自治体の住民ももっと関心を持つべきだとも感じていた。

 ナポレオンの村では、地域の中で忘れ去れていた地域の資源が、みんなの力で宝になっていき、核廃棄物処分場が無くても地域を活性化していくという方向性を見い出した。

 また、手作り感の強かった直売所を、国の予算でさらに大きくし、道路も広げてと計画されたが、予算等の見直しがあり頓挫して、工事途中の残骸のようなものが残ってしまった。

 もともと60万円の予算で、様々な知恵と市民の汗により成功した事業、原点に戻れ…ということで、みんながつるはしやスコップを持って立ち向かう。
 
 何よりも人口の多寡はあれど、全国の地方自治体が抱えていること。特に過疎の地域は、どうしても補助金に頼らざるを得ない。

頭を絞って他の方策を…

 しかし、根っこのところのマインドは、ナポレオンの村のような意識の持ち方やノウハウ、ポジティブな地域の団結が必要なのだろう。

 昨年末には、東京での舞台、原発の陰でほころぶ絆、過疎化する故郷思う3人の苦悩~「同郷同年2023」の内容を取り上げた。テーマの一つは分断。

 作者は「処分場誘致が地域振興と結びつき、異論をねじ伏せる形で進むことを危惧する」「米軍基地問題など、日本が抱えるいろいろな問題に通じる。どこかで起こっていることではなく、自分たちの生活につながっている」と訴えていた。

 調査が進められようとしている対馬市では、漁業者が、推進派市議に対して、「『棚からぼた餅』的な考え方ではなく、頭を絞って他の方策を考えてほしい」と迫ったという。

気付いている地域は人が元気

 成功しているところは、これまでの繰り返しの事業ではなく、前例そのままだと、この時代では取り残されてしまうということを理解し、地域主導でポジティブな逸脱をしているところだと思う。

 全国同じような課題を持ち、全国同じような補助金をもらい、同じような事業を進める。それはそれで大事かもしれない。 
 ただ、それらをベースにしながらも、地域の中で埋もれていた地域の資源はどこかにあるはずだし、その地域の特性は必ずある。
 大隅半島をぐるぐる回り、それぞれで頑張っておられ、そこに気付いている地域は人が元気だと思う。
 60万円の予算で過疎の村から脱却は、他では真似はできないのだろうが、60万円でも出来る活性化があるということだし、ただ、額の問題ではなく、地域がそうしたことに気付くかどうか…を伝えているのだと思う。

 地方議会が始まり、それぞれ次年度の予算が発表されるときとなった。この大隅半島の自治体予算、じっくり眺めてみたい。国庫補助金や地方交付税交付金も含め、それぞれどんな特徴があるのだろう…。(米永20240229)

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