《行政 》
地域活性化への継続的取組の団体・3個人を表彰
令和5年度「おおすみの地域力表彰~おおすみの元気を未来へ」の表彰式が、令和6年2月27日、大隅地域振興局で開催され、7団体・3個人が表彰された。
大隅地域において,様々な活動を通した地域の活性化等への継続的な取組が,未来にわたり地域に波及していくことが期待できる個人又は団体を表彰したもの。
令和5年度受賞者は次の通り(順不同・敬称略)。
【農事組合法人アグリサポート獅子目】鹿屋市
鹿屋市獅子目地区では,農業従事者の高齢化に伴い,水田の維持管理が困難になりつつあったことから,平成24年12月に大隅初の集落営農組織を立ち上げ,農用地の利用調整や鹿屋市の農事組合法人として唯一農作業の受託等を行うほか,面積の狭い田畑を拡張し,大型の農業機械や農薬散布用ドローンを活用するなど,水田農業の維持・発展に取り組んでおり,地域農業の振興に貢献されています。
また,クリスマスイルミネーションの設置や地区の伝統行事として正月の門松作りに取り組むほか,田植えや収穫後の交流会の開催など,地域住民の交流を積極的に進めており,地域の活性化にも貢献されています。
【肝付吾平町農業協同組合ピーマン部会】鹿屋市
鹿屋市吾平町において,安心・安全なピーマンの産地化に努めるとともに,地域農業の振興を図るうえで新規就農者の育成確保が喫緊の課題であることから,大隅地域では唯一となる農協の組合員組織である部会を受け皿とした「吾平方式」により,新規就農者の育成確保に努めています。
人口流出や高齢化が進む中,この取組により,平成18年度から合計12名の新規就農者を確保し,さらに,今後も継続して確保・定着が期待されており,ピーマン産地の維持・拡大及び就農希望者の受け入れによる地域活性化に貢献されています。
【美里吾平コミュニティ協議会】鹿屋市
鹿屋市吾平町において,少子高齢化に伴う様々な地域課題に取り組むため,地域イベントの開催による交流人口の拡大や,地域の魅力を伝える吾平山上稜の四季を楽しむお茶会や夏の”神野”星空観察会の開催,神話をまとめた吾平物語の作成など,神話の町として情報発信に努め,地域の活性化や地域の伝統文化の伝承に貢献されています。
また,認知症サポーター養成講座による地域に根ざした貢献や移住体験施設を管理するなど共生・協働の推進にも貢献されています。
【南町内会】鹿屋市
鹿屋市南町において,一小学校に一町内会という特色を活かし,地域全体で子どもたちを見守る活動を進めており,児童の登下校時の見守り活動や学習活動,体験活動を行う鹿屋寺子屋事業「南っ子応援団放課後見守」に多くの町内会員がボランティアで参加するほか,もち米の脱穀体験や郷土学習など,学校と連携しながら,地域の青少年育成に貢献されています。
また,片道約2kmの陣ノ岡トレッキングコースを整備し,多くの市民が登山に訪れるなど,地域の活性化にも貢献されています。
これらの取組により,鹿屋市社会教育功労者・優良社会教育関係団体として表彰されるなど,大隅の地域力の向上に貢献されています。
【国立大学法人鹿屋体育大学】鹿屋市
特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」において,多くの学生や卒業生が本県選手団に参加され,各競技において持てる力を存分に発揮し,本県の男女総合成績2位への躍進を支え,鹿児島県のイメージアップに大きく貢献されました。
また,鹿屋市の平和公園串良平和アリーナで開催された「燃ゆる感動かごしま大会」バレーボール精神障害の部においては,選手団サポートボランティアとして県選手のみならず全選手に盛大な応援を送って大会を盛り上げ,同種目における鹿児島県準優勝の後押しもされました。
また,鹿屋市や民間団体等と連携して各種事業を実施しており,これらの取組により地域の活性化にも貢献されています。
【金沢幸一】鹿屋市
肝属川の水質は,昭和30年代以降,市街地化や地域産業の拡大に伴い悪化していたが,昭和57年に肝属川をきれいにしようと呼びかけて,清掃活動「肝属川クリーン作戦」を開始し,今年で40回目を迎えました。
同氏をはじめ関係者の努力により年々参加者が増え,今では,地域の住民と事務所等が一体となり,1000人を超える方々が参加され肝属川の水環境の改善に貢献されています。
この取組が評価され,昨年,「小さな親切運動推進功労者内閣官房長官表彰」も受賞されました。
【かねもりバンド】志布志市
平成13年にかねもり一座として活動を開始し,現在,平均年齢84歳の3人組音楽バンドとして,「地域を元気にしたい」,「地域にパワーを与えていきたい」という想いから,志布志市を中心に大隅地域各地で行われるサロン活動や敬老会イベント等で演奏を披露し,地域の活性化に貢献されています。
また,これらの活動はボランティアで行っており,共生・協働による地域社会づくり,地域に根ざした積極的な地域貢献活動となっています。
【吉野寅三】志布志市
平成8年から令和4年までの27年間,志布志町茶業振興会長として産地銘柄の確立に務めたほか,曽於地区茶業振興会長など数多くの要職を歴任され,地域はもとより,県の茶業振興の牽引役として尽力されました。
また,この間,平成19年度,令和元年度に志布志市で開催された県茶業振興大会の成功に貢献するとともに,個人として,令和3年度に県茶経営改善コンクールで農林水産大臣賞,令和5年度に県茶品評会で日本茶業中央会長賞を受賞するなど,その活動が高く評価されており,今後も地域の茶業を支える活躍が期待されます。
【特定非営利活動法人風と土の学び舎】南大隅町
南大隅町において,農業実習や農村交流を通じた交流人口の増加や農業振興を図るため,平成7年5月から東京農業大学生の受入を開始し,令和5年からは,社会人等を対象にした長期農業体験を行う「すみっこ留学」を実施するなど,活動の充実・強化に取り組み,これまで700人を超える農業実習生を受け入れてきました。
この他,空き家を改修し,民泊やワーケーションのできる施設として再生し地域づくりの拠点を整備するほか,南大隅町を紹介する広報誌を作成するなど活動の拡大を図り,地域の活性化にも貢献されています。
【富田良成】南大隅町
南大隅町において,指導農業士として県立農業大学校生等の農業留学や,鹿児島大学等の研修生を積極的に受入れて農家での宿泊研修を行うほか,就農志向者のために農家での体験研修のあっせんするほか,新規就農者や青年事業者に対する巡回技術指導等を精力的に行い,農業人材の育成・確保に尽力されています。
また,平成29年度からは県指導農業士会の副会長として,農業後継者の育成確保,青年農業者の育成等に係わる政策立案にも取り組み,これまでの後継者育成の取組が評価されて,令和5年に「農事功績者表彰緑白綬有功章」も受賞されています。
これらの取組を通じて,地域の農業振興に貢献されており,今後も次代を担う農業者の育成・確保が期待されます。