2026年02月02日 17時41分

《雑草(コラム) 》

衆院選論戦で思うこと…物価高と農業政策

 第51回衆院選は、2月8日の投開票に向け12日間の選挙戦も中日を超え、それぞれの候補が公約等を有権者に訴えている。

 争点は、物価高対応を含む経済政策、消費税廃止や減税、外国人政策などと言われている。

 鹿児島4区は参政、国民、社民の新人に自民前職の4人が舌戦を繰り広げているが、鹿児島県、大隅半島は農業が基幹産業であり、身近なところで物価高について少し考えてみたい。

 その物価高の原因は、原材料価格やエネルギーの高騰、戦争や紛争など国際情勢の影響が大きな要因で、円安、供給網の混乱など複合的に絡み合っていると言われている。

 この2月、食品主要195社の飲食料品値上げは674品目。
 また1月から4月までに値上げ決定の飲食料品は計3593品目で、調味料1603品目、酒類・飲料882品目、加工食品947品目など生活に密着した商品とされている。

 2025年の飲食料品値上げは、合計2万609品目。2024年1万2520品目を約6割上回り、2023年の3万2396品目以来、2年ぶりに2万品目を超え、2021年頃からの値上げがずっと続いていて、まだまだ落ち着くところを知らない。
  
 私たちが食する毎日の食品のほとんどが値上げされているというイメージ。
 値上げされる加工食品、調味料等の多くは、小麦や大豆などが原材料として使われているが、日本の小麦消費量の約84%は外国産に依存している。大豆の自給率については7%とも言われる。

 そしてカロリーベースでの食全体の自給率は38%。

 物価高における対策は、その補てんだったり、お金で解決しようとしているのか。

食の安全保障はほとんど争点にはならない

 思うのは、食の自給率が38%という現状がありながら、農業従事者がどんどん減っていって、後継者もいなく、その打開策はスマート農業、ICT農業だという。

 企業が参入して大規模化、そこに資本が投入され農業がどんどん産業化していく。そこには農産物の輸出という道が開けているという。

 この自然豊かで実り多き大隅半島に住んでいて、それはそれで進む道なのかという気もするが、ただ食の自給率という観点からすると、それでいいのだろうか…という思いが頭をよぎる。

 いま、連立与党で日本を守るために防衛費増大、防衛産業を成長産業にという。
 党首や党幹部などの討論会でもそういった話が出る。
 一方で、食の安全保障ということは、ほとんど争点にはならない。
 今でさえ、あらゆる食品値上げされて、生活もどんどん苦しくなる、なので消費税廃止、消費税減税という声が響いている。

 少し前にも書いたことがあるが、今の日本を攻め落とそうとするなら、兵器とかでなく兵糧攻めをすれば、日本はどれくらい持つのだろう。

 自給率38%で、米の備蓄も、令和のコメ騒動でどんなことになっているのかが、ちょっと見えてきたが、今の農業政策で、本当に日本という国が守れるのだろうか。

この国を守る、国民の生活を守るということ

 地方に住んでいる私たちは、目の前に田畑があるのでまだ、なんとかなるのではという思いはあるが、都会で、食品を買うだけの生活をしている人たちは、原材料の影響による物価高だけでなく、62%という輸入品の多くが止められたら、どうやって生きていくのだろう。

 経済を考え輸出を視野に入れての農業という点では、一つの方向性は合っているとは思うが、果たして食の安全保障という点で考え、それで国民を守れるのだろうか…、そうは思わない。

 もちろん、みどりの食料戦略システムが唱えられているが、それが現実にしっかり進められているかは疑わしい。

 国を守るということは、防衛費増もだろうが、足元の毎日の生活を守るということがもっと大事ではないのだろうか。

 特に戦後の農業政策は、国民に寄り添っていない。
 お米についても、農水大臣は需給バランスを見て生産を考えると言われているが、そうした観点が欠落してはいないか。

 一つの例として、お米や小麦、大豆など私たちの毎日3度3度の食事に欠かせない重要品目は、一定の要件をつけ所得補償をしていくくらいの制度転換が必要なのかと思う。

 そうすると後継者不足ということなども解決していく方向へ進んでいく。
 そういった今の政策にメスを入れていくような大胆な発想による対策も必要なのか。

 防衛費も必要なのかもしれないが、それだけでは日本は守れない…。
 そんな身近な議論のできない選挙なので、投票率も下がる一方なのか…(米永20260202)

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