2026年02月16日 22時45分

《雑草(コラム) 》

完全閉鎖型植物工場と 全ての農地をフル活用できる環境と

 最近よく考えることの一つは、私たちが毎日口にする食事のこと。
 美味しいもの…というより、カラダにいいもの。
 スポーツが好きだった若いころは、とにかく何でも食べる…だったが 大学や社会人になり、それが飲み物、ビールや焼酎が半主役になって、それに合わせた食べ物、ということで健康を考えず暴飲暴食の日々だったのか…。

 だからこその今なのだが、この年齢になると余計。
 特に、この地域の自然の豊かさを肌で感じているところであり、長生きしたい…ということより、取材で少々走り回ったあとでも、こうして書くことに集中できる体力、体調をキープしたいという思いもあって食を大事にしている。
 特に照葉樹の森に触れ、重ねてそう思うのだが、そうしながらこの地域の農や食に、日常の中で何か腑に落ちないものを感じている。

 加えて思っていること。
 前々回やここ数回、食の自給率や食料安全保障などについても書いている。
 ちょっと重複する文章になるが、高市総理会見では、リスクを最小化する危機管理投資、食料安全保障の確立で何があっても食べ物に困らない日本をつくる。
 そして、全ての農地をフル活用できる環境を整え…とあり、そこまではなるほど…と思った。

 ただ続けて、農林漁業にも最新の技術を活用、日本の食品を広く世界市場に展開し、国内外で需要を増やし供給力も強くする。
 日本のスタートアップが世界トップレベルの技術を誇る完全閉鎖型植物工場や陸上養殖施設の海外展開でも、日本は大いに稼げます…とあった。

農地を守り、後継者不足の解消を考えると

 うーん、この緑豊かな地域に住んでいる私たち、ただでさえ農家の後継者が減り、農業自体が大きな曲がり角に来ている。

 その一つの要因としては、あまり議論はされていないのかもしれないが、農業経営におけるコスト高、特に初期投資にかかる費用が大きいというところにもあると感じていて、後継者不足もだが、それをカバーするだけの新規就農者が増えていない。

 農業は天候等もあり難しいところがあるので機械化はとても助かるのだろうが、農家というよりも農業法人など企業化していき、そこへドローンや無人トラクターなど先進的農業、AIやIoT技術活用で農作業の効率化などが進められている。

 そうなると余計、「農家」というところから何かだんだん離れていく。
 そして完全閉鎖型植物工場や陸上養殖施設の海外展開という。

 昨年5月に農林水産省は、食料安全保障に資する完全閉鎖型植物工場の実現に向けた調査研究として、研究者や研究活動不足解消の取組、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)成果の社会実装に向けた取組などに、年間35億円の予算がつけられるという。

 食料安全保障の確立ということと、海外展開ということとはミスマッチしないか…。
 また、全ての農地をフル活用できる環境を整えるということと、完全閉鎖型植物工場ともどうなのか…。

国が進める農業施策と地域の特性を活かす何か…

 屁理屈をこねるつもりはない。
 経営所得安定対策として畑作物の直接支払交付金や、強い農業づくり総合支援交付金、農地利用効率化等支援交付金、産地生産基盤パワーアップ事業などもあり、また、環境保全型農業直接支払交付金や、みどりの食料システム戦略推進交付金なども準備されているので、それらを活用すればいいのだろうが、そのしっかりとした歯止めにはなっていなのか…。

 そして完全閉鎖型植物工場や陸上養殖施設で、それらがいい方向に向かうのだろうかという思いと、農地がちゃんと守れていくのだろうか…?
 また、企業化された農業では、外国人技能実習生などの人たちがいないとなかなか大変だという。農家としての後継者の問題も…。

 農業の在り方、都会で考えた農業やその近郊農業と、この大隅半島など地方の農業とは、その方法論も含め、違うものがあると感じているし、この地域の豊かさを地域の人が肌で感じることも大切だと思う。

 国が進める農業施策は、それはそれで受け止め考え進めていきながら、その地方や自治体で、その豊かさが地域で肌感覚で感じられるその地域独自の農の在り方、農家ではないので、何を机上で言っているの…と笑われそうだが、カラダにいい食材を求めているおじさんもいるし、近代農法、慣行農業の影響でアレルギーがあったり大変な思いをしている人も増え、これまでとは違った農法を求めている人たちも増えてきていると思う。

 完全閉鎖型植物工場や陸上養殖施設も大事なのかもしれないが、もっと根本的なもの…。
 それらを少しだけ深掘りしてみたい…。(米永20260216)

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