2024年01月25日 09時08分

《農林水産 》

付加価値、ブランドカ、マーケティング力向上を目指して

稼ぐ農業パワーアップ講演会

 稼ぐ農業パワーアップ講演会 〜ブランドカ・マーケティング力の向上を目指して〜が、令和6年1月18日、リナシティかのホールで開催され、「なぜネギ1本が1万円で売れるのか?」の著者である清水寅(つよし)氏を講師に、講演と市内生産者とのパネルディスカッションが実施された。

写真=約300人の農業生産者らが熱心に話聞く

 鹿屋市の生産者や加工事業者等の生産意欲と「稼ぐ」、「売れるものづくり」 への意識向上を図るため開催。

 会場には最前列に鹿屋農業高生徒らが陣取り、農林漁業者や食品加工業者のほか、マーケティング向上等に興味がある人が参加。

 先進的な事例を学び、「付加価値化(ブランド力)やマーケティング」等に関するヒントを得る良い機会となった。

写真=パネルディスカッション

 基調講演は、「失敗から学ぶ農業経営」、講師は、ねぎびとカンパニー代表取締役社長の清水寅氏

 清水氏は、日本一のサラリーマンを目指し、20代で7社の社長を歴任。その後、2011年より山形県天童市に移住。ゼロから農業を学び始めたときの失敗談など話した。

 2014年、自ら「初代葱師」を名乗り、ねぎびとカンパニー株式会社を設立。最初は面積勝負で広げ、その限界を知り、単価アップのため袋詰め、太さや大きさを変え、品質の高い贈答用ネギ「真の葱」を通販開始。

 2017年に糖度 21・6度の葱を創り上げる。

 2019年からは、贈答用の畠に「芸術品と思わせる、300万本に数本しか取れないという1本1万円の奇跡の葱「モナリザ」を販売。本を出版しデパートでも販売。

 そして農業は売価を調整できずインフレに弱いことから、化学肥料より有機肥料で育て、苗にもこだわり、光を多くあてた発芽方法を考えた。

 従業員の時給を分給にし、出荷を早くするなど工夫、今後の農業についても話した。

写真=ファシリテーターの森友伸和氏

 パネルディスカッションでは、「ブランドカ・マーケティング力の向上を目指して」がテーマ、ねぎびとカンパニー代表取締役社長 清水寅氏、有限会社ふくどめ小牧場取締役 福留洋一氏をパネリストに開催。

 福留氏は、日本の食肉学校等を経て、ドイツの農場兼工房で学び、2009年に肉加工のマイスター取得。自社オリジナルの幸福豚等の生産・加工・販売の一貫体制を構築し、小規模牧場の「差別化戦略」は評判を呼び、関東や関西の著名レストランや百貨店が顧客に名を連ねる。

 ファシリテーターは、鹿児島県よろず支援拠点チーフコーディネーター森友伸和氏。
長崎県対馬市出身。26歳で独立、ご当地プリンが爆発的に大ヒット。TV・雑誌で話題の店舗へと成長するも経営の甘さから破綻。その経験を生かした多方面からのアドバイスや販路拡大を得意とする。

写真=講師でパネリストの清水氏

 ファシリテーターから、「会社として絶対にまげられないコンセプトは何」
「ブランディング(差別化)する際に一番気を付けているところは」
「差別化するマーケティングは」「ものの価値や評価について」
「サスティナブルで取り組んでいることは」
「それぞれのターニングポイントは」などの質問があり、
エンドユーザーやバイヤーが困っていることを探すこと、それが価値になる。

 例えば、職場にごみが落ちていた時に、これは誰の責任なのか、一人ひとりがちゃんと責任を持って仕事をする、責任の所在をはっきりさせるということを徹底してやっている…など答えていた。

写真=パネリストの福留氏

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