《地域づくり 》
新たな茶の活用方法に向けた「お茶の実ＰＲＯＪＥＣＴ」
鹿児島純心女子短期大学×ソラシド×錦江町との地域再生事業
鹿児島純心女子短期大学×ソラシド×錦江町との地域再生事業～新たな茶の活用方法に向けた「お茶の実ＰＲＯＪＥＣＴ」が、令和６年６月29日、南大隅町辺田のボカニカルファクトリーで開催され、茶の実オイルを
使った天然アロマのオリジナルフレグランスを作り、今後オリジナルコロンとして学生によるラベルやパッケージデザインを行い、３者による地域再生に向けたビジネスへの歩みをさらにスタートさせた。
写真＝天然アロマのオリジナルフレグランスオイルづくり
これは、錦江町田代地区では、お茶の生産地として平成26年まで１１９㌶で栽培されていたが、最近はお茶の消費や茶葉の価格も低迷、離農や転作で耕作放棄地が増えている現状がある。
その地域課題解決のために、町と包括的連携協定を結んでいる鹿児島純心女子大学とコラボし、お茶の実ヘアオイルを調合し完成させた。
それ以前にも、女性目線からのニーズをと、ひとくちげたんはなどの商品開発、やまんなか音楽祭などのイベント参画、田植えや稲刈りなどで地域との交流を行ってきた。
錦江町とソラシドアエアとは、相互連携協定が結ばれ、これまで町とコラボしてソラメロパンを県内２００店舗のローソンで販売。機体活用の空恋プロジェクトや空港内での特産品販売、空恋パートナーの全国市町村が集まったイベント、グリーンスカイフェスタへの参加など事業を行ってきた。
２０２４年には、ソラメロパン復刻版と、今回の３者によるお茶の実ＰＲＯＪＥＣＴを実施することになったもの。
同プロジェクトは、新たなお茶の活用方法やビジネスとして、お茶の実から採れるオイルを活用し商品開発。
写真＝41種類のアロマオイルから一つひとつ好みの香りをチェック
この日は、ボカニカルファクトリーの協力により、天然アロマのオリジナルフレグランスワークショップを開催、学生らと純心女子大の山口明美学長やソラシドエアキャビンアテンダントの日隈紀香さん、お茶農家の光農園、池田光星さんらも参加。
同ファクトリーの黒木靖之代表取締役が、同社が起業した経緯や化粧品業界の話をし、香水の種類を学生らに説明。
香水の作り方は今回、香水の第一印象となる10分程度の香りが続くトップノートを８種類、香水のボディとしての３時間程度までのミドルノート21種類、香水の余韻となる12時間までのラストノート12種類のアロマオイルを準備。
その41種類を一つひとつ嗅ぎ、気に入ったのアロマオイルをチェックし、お茶の実オイルと調合。それらをスポイドで器に写しながら香りを調整、好みの香りになるように時間をかけオリジナルフレグランスオイルを作った。
写真＝化粧品や香水、オリジナルアロマづくりを説明する黒木社長
出来上がったそれぞれのオイルは瓶詰めし、世界に一つだけの香水として使用、残りをそれぞれカップに入れて参加者20人が、気に入った２つを選び、この日の人気ナンバーワン、寺迫優歌さんの香水が選ばれた。
寺迫さんは「まさか選ばれるとは思ってなく、好きな香りを選んで甘い香りをと調合したのですが、何か足りないなと感じているところに、黒木社長がアドバイスしてくれ、だんだん良くなってきて、とてもうれしいです。」
また、参加した松元ありささんは、「フローラルな香りが好きで、ローズ系の香水をと思っていたけど、想像したのとちょっと違いました。ただ、とても楽しい体験でした」など話していた。
写真＝気に入ったコロンを選んで投票
これらお茶の実オイルを使った香水は、コロンとして製品化のためにさらに調合が重ねられ、７月～８月上旬に純心生によるラベル・パッケージデザイン案が出され、今回の３者により８月下旬にはデザインが完成。
９月～10月上旬にコロン・ラペル・パッケージの製作し価格を設定、10月下旬に箱詰め作業。
11月30日の東京でのグリーンスカイフェスタで販売、さらに12月上旬には 鹿児島市でのアミュ広場販売。錦江町ではふるさと納税の商品として販売する予定になっている。
茶の実オイルを活用した新たな商品については、田代盤山地域の茶畑に対しての次の思いが込められている。
与論島から満州国に入植した人たちは、敗戦時、与論島がアメリカの統治下となり帰島できず錦江町田代大原地区へ入植。
苦労して開墾した地であり、台風にも強い茶の木を適地適作と考え昭和32年に４戸の農家が茶畑としてさらに開墾。
茶の作付けが田代地区全体に広がっていった歴史があり、そうした茶畑が再生され地域の思いを繋げていける事業、地域再生に向けたビジネスヘという思いが込められている。
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