2024年06月30日 08時47分

《大隅点描 》

鏡のような美しさ~辺田海岸の背に聳え立つ雲岩からの風景

「鏡のような美しさ」、そんな表現がぴったりな風景が存在する。

 写真に見る撮影地は、南大隅町辺田海岸の背にそびえ立つ花崗岩の雲岩(830m)の岩頂から見た錦江湾の青々とした光景である。

 眼下に辺田地区の登尾、塩屋、炭屋の3集落が望まれ、前方には開聞岳と薩摩半島、さらには写真には見えないが、南海の島々である硫黄島、黒島、口永良部、屋久島がぽっかり浮かんでいる。

 撮影地の雲岩からは遠く東シナ海が望まれ地球が丸いことによる球差を生じ、まるで海面んが丸みを帯び、鏡のような美しさが展開する。

 写真右下に2尾のアマツバメ(雨燕)が飛び交う。
 渡りの夏鳥で雲岩に営巣し、ツバメよりひと回り大きく全長約20㌢、白い腰が目立つ。羽を広げると約30㌢に達する。

 翼は長く鎌のような張りで飛ぶ力は強く、時速約300㌔mとされ風を切る羽音がするどく鎌の切れがあり、運悪く空中に飛び交う昆虫は一溜りもない。カラスといえどもこのアマツバメには近寄らない。

 そんな自然の営みが展開する雲岩の情景であるが、残念ながらこの雲岩は危険な難ルートで近づくことは出来ない。

大隅の自然、歴史研究
坂元二三夫

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