《雑草(コラム) 》
ペルシャ帝国からイラン 中東の歴史を振り返り考えること
イラン国内の石油産業が独占的に支配された歴史
米国がイスラエルと共にイランに対して「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」作戦として、大規模な戦闘を実施し、イランも応戦して周辺国も巻き込んで10日ほど経つ。
それぞれの立場で、そのいきさつ等がメディアで説明されている。
トランプ大統領はソーシャルメディアでイランについて、アメリカを標的とした終わりのない流血と集団殺りくを展開してきた…と非難。
また、イランが核計画を放棄するあらゆる機会を拒み、ヨーロッパや米軍の外国基地を脅かす長距離ミサイルの開発を進めていると主張し、近いうちにアメリカ本土にも到達し得る…としている。
ただ、その主張に何か腑に落ちないところがあったので、中東の歴史を少し振り返ってみた。
少し長くなるが、それらを知ることで、この作戦や侵攻を見る目が変わってくるのでは…とも思う。
写真=紀元前550年アケメネス朝に始まるペルシャ帝国
イランについては、紀元前550年のアケメネス朝に始まるペルシャ帝国が、エジプト、メソポタミア、インドの一部を含む広大な領土を支配し、古代世界の最初の超大国となり、中央集権的な行政機構を整備。
王の道と呼ばれる広範な道路網を整備し、通信と交易を促進。さらに宗教的寛容を掲げ、征服地の文化や宗教を尊重し、バビロンの捕囚からユダヤ人を解放したことも記録されている。
ペルシャ文明は、古代オリエントで隆盛を誇った文明圏であって、その影響は東西の文化が交錯する要衝の地であり、地理的特性から多様な信仰や技術にまで及んだとされている。
しかし、20世紀に入り1907年に発見された油田が大きくその歴史を変えた。
英国資本のAIOC(アングロ・イラニアン・オイル会社)が、イラン国内の石油産業を独占的に支配し膨大な利益をあげ、イランは大きく国益を削がれ、その伝統や文明も損なわれていった。
イラン人の貧困を追放せよと石油国有化政策断行
そこにモハンマド・モサデグ首相が、イラン人の貧困を追放せよと、イラン国内の資産国有化を掲げ、1951年に石油国有化政策を断行した。
これに対し英国は、モサデク政権打倒の協力を米国に求めたことから、対抗するためにモサデグ首相はソ連に接近。
共産化の危機に米国が動き、イラン産石油はイギリスやアメリカの国際メジャー石油資本の報復より国際市場から締め出され、それによりイラン政府は財政難に瀕した。
そしてCIAが動き、大量の資金を投入し軍高官や反政府活動家などを買収。
暴力による政府転覆を目指す内政干渉の秘密工作を行い、反モサデグを訴えるデモを組織、国王万歳と叫ばせクーデターを起こし首相を失脚させた。
国外に退避していて担ぎ上げられたパーレビ国王のイランは、中東屈指の親米国家に姿を変えた。
イランはその結果、英国や仏国との西欧諸国による密約もあり石油利益の半分を差し出すことになる。
さらにソ連の隣国であるイランは、軍事力の強化を迫られ、石油収入の多くを米国からの兵器購入に充て、軍事費は国家予算の3割に及び、その富は国民にまで届かなかった。
そこでペルシャ帝国以来のよりよき伝統や文化の多くは廃れてしまったという。
繰り返される冨の独占 国民の貧困と弾圧に怒り爆発
また、CIAとイスラエル対外情報機関のモサドとで秘密警察サヴァクを創設し、パーレビ政権に反発する人たちを徹底的に弾圧。
国民の貧困と他国や一部の人たちによる冨の独占や弾圧に国民の怒りは爆発。
指導者として人々が掲げたのが、イスラム法学者であるルーホッラー・ホメイニ師であり、初代最高指導者となる。
そしてそれが二代目のアリー・ハメネイ師と引き継がれ、2月28日に米軍により殺害される。
これらは、イランのおおまかな歴史に触れたものであり、一方的な論調なのだろうし、イスラエルなどの歴史と対比しながら考えないといけないのだろうが、その一端を知っておくことで、戦争や平和というものを、少し俯瞰して見ることができるのだと思う。
その渦中にある世界であり日本…
これまでの戦争の歴史を学んでいると、その発端や、あとになって分かってくる戦争の事実が、どういう結果をもたらしてきたのか。
特に、この欄で書き続け危惧している政府や軍部に加担するメディアのプロパガンダが、戦争へ導く大きな要因となっている。
戦争に突入していく過程がどんなものだったのか、今は、ネットも含めたメディアの情報が溢れ混沌としているが、まさに今、その渦中にある世界であり、日本でもあると思う。
繰り返される戦争、この人類の歴史は変わることはないのだろうが、その歴史を少しずつでも学ぶことで、私たち弱者としてできること、もっと考えてみたい。(米永20260310)


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