2026年03月28日 22時32分

《戦争と平和 》

垂水市に残る貴重な戦跡を調査した成果を発表

垂水市×鹿大×垂高 大学連携文化財調査成果報告会

 垂水市の戦後80年文化財保穫事業 令和7年度大学連携文化財調査成果報告会が、令和8年3月21日、垂水市市民館で開催され、国立大学法人鹿児島大学、県立垂水高等学校とで、垂水市に残る貴重な戦跡を調査した成果が発表された。

 垂水市教育委員会の令和7年度文化財事業として大学、高校と連携し、市内戦争遺跡の悉皆調査を行い、その調査研究、探究活動等の中で得られた成果により、同市の文化財の魅力を地城内外へ伝えたもの。

 大学側からは、鹿児島大学法文学部附属「鹿児島の近現代」教育研究センターの中嶋晋平特任助教による「戦争の記憶・記録に関わる現状と課題」の基調講演。

 成果発表として、鹿児島大学法文学部人文学科多元地域文化コース考古学ゼミによる「垂水の地域資源としての戦争遺跡」報告。
 
 垂水高等学校一年生普通科による「垂水市の戦争遺跡を未来に残すためには!」とメッセージを伝えた。
 
 総括講演として、鹿児島大学法文学部人文学科の石田智子准教授による「未来に繋ぐ垂水の戦争の記録」として話があった。

 会場には、計測した3Dモデルや関連遺物の展示などもあり、訪れた市民らが熱心に見入っていた。

 戦争の記憶・記録に関わる現状と課題では、第二次世界大戦の重要な一環をなす太平洋戦争だが、全期間にわたって垂水の若者が戦場を体験。

 忘れ去れた激戦、ペリリュー島や、墓場と言われたブーゲンビル島の例を挙げながら、垂水市資料集、戦後50年戦争体験記から、兵の装備、食糧や武器、衣服などの現状、戦場での体調などを紹介し、戦争の事実を知ることが大事。

 課題としては、残されている記録の活用が求められる。
 地域の人々、大学や資料館、学校など地域の様々な主体が共同で地域の歴史をつくり上げる実践を重視するパブリックヒストリーを実践すること。
 大学では、南九州新聞のデジタルアーカイブに取り組んでいることなどを紹介した。

写真=鹿児島大学生による「垂水の地域資源としての戦争遺跡」報告

 垂水の地域資源としての戦争遺跡では、垂水海軍航空隊、桜島海軍航空隊は、戦争末期に配備されたため、ほとんど記録は残っていないが、多くの戦争遺跡は存在。 

 赤迫川地下壕群、魚雷航跡監視台城跡、震洋隊基地跡などの遺跡を紹介。
 特に今回の調査で、垂水高生徒ともに3Dスキャンアプリで3D測量を行ったこと。
 
 魚雷航跡監視台城跡では、水中の映像をスクリーンに映し出し、震洋隊基地跡が全国でも類例を見ない二階建ての壕であることを紹介した。

 調査を通じ、戦争を考えることに難しさを感じつつ、戦争が間違いなく垂水で起こっていたことを実感。
 貴重な資料をどのように保存し公開するのか…などのコメントも紹介した。

写真=垂水高の垂水市の戦争遺跡を未来に残すためには!…報告

 垂水高の垂水市の戦争遺跡を未来に残すためには!…では、出前授業を受け、戦争についての事前学習で、垂水の戦争を知り、戦争の歴史、配線や占領、米軍基地の存在などを学び、過去の戦争を学ぶことで、今の私たちの生き方を見つめる…など伝えた。

 市と大学との調査、フィールドワークやワークショップについて、その内容を順番に報告。
 多くの人命が奪われ、日常生活・社会基盤・文化財などさまざまな大切なものを破壊。弱い立場の太ほど大きな被害を受ける…など感想。
 
 その成果を広く伝えるために、文化祭発表やアンケート結果、戦争遺跡を記したスタンドを設置するなど周知活動を行い、高校生探求コンテスト実施内容、今後の活動なども伝えた。

写真=石田智子准教授が総括講演

 未来に繋ぐ垂水の戦争の記録では、垂水戦跡調査隊としての垂水市 × 垂水高等学校 × 鹿児島大学2025年度連携事業成果報告パンフレットを紹介。

 垂水市における取組と成果、地域の戦争遺跡や関連資料を残す意味とは。

 なぜ垂水の戦争は知られていないのか…博物館の欠如が一つの要因。

 ただ、豊富な文化や自然の地域資源があり、フィールドとしての垂水の魅力、郷土に対しての愛着を持つこと、地域の回復力(レジリエンス)を高めていくことが地域活動の原動力になる。

 未来につなぐ垂水の戦争の記憶と記録、今の決断が見たいに残るものを決める…など話した。

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