2024年12月27日 15時33分
《大隅点描 》
特産 サクラジマハイゴケ 火山灰ごと桜島特産テラリウムで
サクラジマハイゴケ(桜島灰苔)、聞きなれないコケ(苔)の名前であるが、筆者が勝手につけた名称である。
正式な学名は、ハマキゴケ(センボンゴケ科)という。
このハマキゴケ(葉巻き苔)は、北海道から沖縄まで広く分布し、生命力の強い苔類の一つで、強い陽射や寒冷、乾燥に強く、民家のブロック塀、道路沿いのコンクリート壁、側溝などに茶色く枯れたように群落を見つけたら、まずこのコケである。
雨に濡れるか水をかけると1分以内に茶色から鮮やかに緑色に変化する特長を持つ劇場型のコケである。
広大なコンクリート壁では緑のじゅうたんとなり、絵画や交通安全標語に工作されることもある。
毎日見ているコケでありながら名も知られず昔からドロゴケと呼ばれていた。
九州地方ではハマキゴケ以上に分布するのが、カタハマキゴケ(センボンゴケ)である。
九州は火山圏で特に桜島はほぼ毎日噴火し火山灰を降らす。
写真に見るように、自宅の屋根瓦に積もった火山灰に生えたカタハマキゴケである。
右側にはフデゴケ(シラガゴケ科)が生えている。
このカタハマキゴケを火山灰ごと桜島特産のテラリウムとして育てるのも楽しみな一つである。
大隅の自然・歴史研究
坂元二三夫