2024年05月23日 07時38分

《大隅点描 》

ヘツカコナスビ咲く~環境省絶滅危惧1A類

 鹿児島県錦江町と南大隅町の大隅南部産地のみに生育分布するヘツカコナスビ(サクラソウ科)が開花をはじめた。

 やや湿地な明るい山林に生え、根元から長いツルが放射状に、やや地を這うように長く伸びて、途中の2枚の葉脇から高さのある2本の花柄を出し、陽に向けて直径1センチほどの黄色または濃黄色な花を開く。

 花は小さいが、ヒメの名を付けたいほど可憐な美しい花である。花は普通5弁だが、6弁もある。

 特に環境に適したところでは大群落となり花が浮いたようにメルヘンの世界が展開される。

 他に類似したコナスビもある。見分け方としてツルが赤く花の裏面にある緑色でガク片が目立つことがポイントとなる。

 名は小茄子(コナスビ)で、花がなすに似て小型の意で、新種として発見された地、佐多辺塚の名にちなむ。

 本地のみの固有種で分布地と個体数も限られていることから国(環境省)絶滅危惧1A類に分類されている。

 開発等で絶滅の可能性が高い種の一つである。

 大隅の自然、歴史研究
 坂元二三夫

最新の記事

合計 937 件中 1ページ目を表示

カテゴリ最新記事