2024年06月09日 16時25分

《宇宙 》

県立楠隼中高一貫教育校「シリーズ宇宙学」計5回で開催

 県立楠隼中高一貫教育校(校長:德留敏郎)は、全国初の取り組みとなった昨年度に引き続き、楠隼高の「シリーズ宇宙学」の一環として、宇宙ビジネス人材育成を目指した特別講義を2024年6月13日(木)から全5回で実施する。

主催:県立楠隼中高一賈教育校
協力:㈱QPS研究所、鹿児島県、肝付町など。

 今年度は、昨年度全4回から全5回に増やし、講義を担う社も九州域内企業から域外企業まで広げるとともに、講義内容も衛星・データ関連のみならず、「ロケットのまち|である肝付町にも相応しいロケッ卜に係至内容も新たに追加する。

 具体的には、九州大学発宇宙開発企業で小型レーダー衛星を開発渾用し、地上観測データ提供サービスに挑む㈱QPS研究所及びパートナー企業、QPS研究所による衛星データを活用したソリューション事業も支援するスカパーJSAT㈱、内閣府よりクラウド事業者として初めて「衛星リモートセンシング記録を取り扱う者」として認定を受けたDX事業を展開する幽域、JAXAベンチャーで小型固体ロケット事業を目指す㈱ロケットリンクテクノロジーの全面協力を得て、全5回の特別講義を実施します。

 実際に宇宙ビジネスに携わる技術者・研究者等の講義を通じて、生徒が、宇宙ビジネスへの理解を深め、今秋以降、自らがテーマを設定した探究活動に取り組むことで、広い視野や好奇心、冒険•探究心、ものづくりの心を資登二とを目指す。

 楠隼高は、2015年創立以来実施の「シリーズ宇宙学」の拡充を図ると共に、講義を担当する各社は、自事業の理解増進、次世代を担う宇宙産業人材の育成を図り、将来必要となる宇宙産業人材の輩出にも寄与することで、九州で宇宙産業を根付かせ、産業全体も底上げすることにも貢献していく。

 同講義は、2023年3月に内閣府及び経済産業省が選定する「宇宙ビジネス創出推進自治体(S-NET自治体)」に選ばれ、宇宙関連産業への参入支援による新産業創出を目指す鹿児島県(商工労働水産部)に加え、スペースサイエンスタウン構想実現を目指す肝付町(宇宙のまちづくり推進課)の支援も得ながら実施。

〇第1回
2024年6月13日(木)9:40〜11:30
「九州の宇宙商業化(事業創造)への挑戦(QPS研究所市來敏光氏)

〇第2回
2024年6月20日(木)9:35〜11:15
「小型衛星•ものづくりの挑戦」(オガワ機工伊藤氏・昭和電気研究所古賀氏・QPS研究所上津原氏)

〇第3回
2024年7月4日(木)9:40~11:30
「衛星データ利用によるソリューション事業の挑戦」(スカパーJSAT平田大輔氏)

〇第4回
2024年7月11日(木)9:35〜11:15
「小型固体ロケットの挑戦」(ロケットリンクテクノロジー和田豊氏)

〇第5回
2024年7月18日(木)13:15-14:55
「DX(AI・IoT)と宇宙の挑戦」(Fusic納富貞嘉氏)

対象
楠隼高校1年生60名/鹿児島県宇宙ビジネス創出推進研究会メンバーほか

[関係者コメント]
 鹿児島県立楠隼中高一貫救育校校長 德留敏郎
 本校の特色ある教育活動「シリーズ宇宙学」では、生徒たちに広い視野や好奇心、冒険・探究心、ものづくりの心を育むことを目的としています。

 高校では、中学3年間で学習・研究してきたことを元に自ら課題テーマを設定し探究活動を行いますが、今回、昨年度に引き続き、株式会社QPS研究所を始めとした関係団体•機関のご協力をいただき、主に宇宙開発利用分野に関する講義やワークショップを受けることによって、生徒たちは自らの研究方針等を具体的にイメージできるとともに、宇宙ピジネスの分野に対する興味・関心を持つことにつながるものと期待しています。

 株式会社QPS研究所代表取締役副社長COO 市來敏光
昨年度の全国初の取り組みである楠隼高校の「シリーズ宇宙学」において、事業創造(ビジネス)というテーマで授業をさせて頂きましたが、今年度もお声がけ頂けたことを大変嬉しく思っております。

 事業創造という大変難しい内容にもかかわらず、昨年の生徒は禎極的に手を挙げて授業に参加をするだけでなく、授業後も質問に来る等、その好奇心の高さと行動力に大変感銘を受けました。未来の日本を背負う、無限の可能性を秘めた生徒の方々が今回の一連の授業を通して人生の目標や興味を惹くものを見つけ、日本や世界をより良くする大きな志を抱くきっかけとなることを願っております。


 スカパーJSAT株式会社スペースインテリジェンス事業部 部長代行 平田大輔
 私たちは通信自由化による1985年の設立以来、衛星通信とデジタル多チャンネル放送のパイオニアとして新たな事業•サービスを開拓してきました。そして、いくつかの変遷を経て、アジア最大の衛星通信事業と日本最大級の有料多チャンネル放送サーピスを提供するスカパーJSATになりました。

 近年は、インターネット経由の動画配信サービスや、低軌道小型衛星による新たなビジネスが始まるなどデジタル社会の進展がさらに加速し、あらゆる空間におけるビジネスフィールドが拡張していく中で、再び新たな事業を開拓すべく衛星データを利用した新たなソリューション事業に挑戦しています。この講義を受けた生徒たちが広い視野に基づき様々な宇宙分野で活躍してくれることを期待して、私もこのプログラムを楽しみたいと思っています。

 株式会社Fusic代表取締役社長 納富貞嘉
 大好きな九州の地、その中の鹿児島において、日本で唯一の宇宙を専門とする高校があることを誇らしく思います。昨年も講義を担当させていただきましたが、学生の純粋な眼差しや、素朴な質問に私自身が大きな気付きを得るとともに初心に返る思いでした。

 当社の宇宙に関する取り組みはもちろんのこと、学生時代に起業した自身の経験も踏まえて、起業に至った経緯や想い、面白さ、さらには大変さもお伝えしたいと思います。学生の中から、一人二人でも起業に興味を持ち、将来の日本の宇宙産業を担う人材が出てくることを願っています。

 株式会社ロケットリンクテクノロジー共同創業者/千葉工業大学教授 和田豊
学生時代、内之浦宇宙空間観測所にて観測ロケットやM-V ロケットの打ち上げに立ち会いました。打ち上げ成功に向け、実験メンバーが一丸となって打ち上げ準備作業に取り組む熱量を間近で体験し、自らの手でロケットを研究開発し宇宙に届けたいと強く思うようになりました。

 卒業後、大学教員としてロケット研究に従事し、研究成果を土台に低コストで量産可能な新しい固体ロケットに取り組むロケ:ツトリンクテクノロジー社の設立に至りました。起業までの高いモチベーションは肝付町に与えてもらったと思っております。本プログラムの推進が、宇宙に手が届く町でより多くの若者が宇宙を目指すきっかけとなり、日本の宇宙産業の成長に強く寄与することを願っています。

 肝付町長 永野和行
肝付町は日本の宇宙開発とともに歩んでまいりました。数多の研究者カヾ挑戦し、成功と失敗を繰り返しながら技術や知見を禎み上げてきた肝付の地で、昨年度に引き続き、㈱QPS研究所様をはじめとした関係企業のご協力のもと、字宙ビジネス人材の育成プログラムが実施されますことを大変喜ばしく感じております。これからも宇宙開発に携わる人材育成の拠点として、若者の学びを支援してまいります。

 鹿児島県商工労働水産部部長 平林孝之
(株)QPS研究所をはじめ、宇宙産業に関わる事業者の皆様の御協力により、今年度においても楠隼高校における特別講義が実施されることを大変喜ばしく思います。世界的に宇宙産業の市場拡大力ヾ続いており、全国で唯一、2つのロケット打上げ施設がある鹿児島県でも、宇宙産業の成長力を地域経済に取り込むため、宇宙機器の研究開発や衛星データ利用実IEなどの取組が進んでいます。本プログラムの実施を通じて,本県の字賞産業を担う次世代の人材育成

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