2026年10月05日 20時05分

《エコ・環境 》

大崎町 産官学4者の連携で新しいかたちの建築 TSUDOI

「空き家」を「資源」に、資源循環型モデルハウス竣工

 「空き家」を「資源」に、資源循環型モデルハウス「TSUDOI」竣工記念報告会・トークセッションおよび内覧会が、2026年9月30日、大崎町假宿のcircular village house TSUDOI -UEMACHI-で開催された。

 産官学4者の連携で生まれた新しいかたちの建築。
 ⼤崎町(中野伸⼀町⻑)、⿅児島⼤学⼤学院環境建築研究室(鷹野敦准教授)、株式会社LIXIL(瀬⼾欣哉取締役代表執⾏役社⻑兼CEO)と、⼀般社団法⼈⼤崎町SDGs推進協議会(佐藤⼀郎代表理事)は 、2024年6⽉に「住宅改修における資源循環実証調査事業」に関する協定を締結。

 住宅分野における新たな資源循環の仕組みづくりを産官学連携で進めてきたが、このほど⼤崎町上町エリアにおいて、地元施⼯会社である久徳建設株式会社(吉留李奈取締役)とともに、築60年超の⽼朽空き家を最新の断熱改修技術と地域の未利⽤資源(陶器ガラや解体古材など)を組み合わせて再⽣した地域拠点「circular village house TSUDOI -UEMACHI-」が竣⼯を迎え、記念報告会を開催したもの。

 この日は、中野町⻑、鷹野准教授、佐藤代表理事、株式会社LIXIL常務役員 LIXIL Housing Technology エクステリア事業部の⼤沼剛事業部⻑・佐⽵葉⼦取締役会室⻑兼環境推進統括部⻑、吉留取締役らが出席。

 プロジェクトの経緯や、空き家を「資源」として再定義する社会的意義などが説明されテープカット。
 設計者である鷹野准教授による技術解説、セメントを⼀切使わず⼤崎町の「陶器ガラ(ゴミ)」と廃プラ ・廃⽊材を融合したLIXILの素材「revia」を⾻材に⽤いて地域住⺠と打設した⼟間や、古材を活⽤ したパッチワーク外壁、LIXILの断熱や資源循環型 商材などもご紹介された。


 産官学⺠それぞれのキーマンが登壇し、「空き家を地域の資源へ 崎町から発信するサ ーキュラーヴィレッジの未来」をテーマにスペシャルトークセッション(座談会)もあった。

 空き家解体時に発⽣する環境負荷(CO2)の学術研究データの解説や、製造・廃棄を等価に 評価するメーカー(LIXIL)の取り組み。
 困難な空き家再⽣に挑んだ地域⼯務店(久徳建設)の覚悟。また移住体験住宅やコワーキング、地域マルシェ 等と連動させた上町通りの未来ビジョン などが語り合われた。

 同プロジェクトの社会的背景と実証については、次の通り。
 ▽空き家を「資源貯蔵庫」として捉える学術研究
 ⿅児島⼤学⼤学院による⼤崎町内の解体現場の追跡調査により、建物の解体時に発⽣するCO2の過半(約49〜57%)が「廃材の輸送」に起因し、さらに「⽊くずの破砕処理」はコンクリートがらの破砕に⽐べて、同⼀重量あたり約60倍の軽油を消費することが実証さた。

 同事業では、これらを「遠くに捨てて破砕するゴミ」にせず、現場の近くで丁寧に⼿壊しで「資源レスキュ ー」し、建築資材や家具へアップサイクルする「穏やかな解体(地域内循環)」の実証に 挑戦。

 ▽最新テクノロジーによる「不動産資源」への再⽣
 築60年超の放置されていた空き家に対し、既存の痛んだ軸組を補修した上で、LIXILの⾼性能断熱パネル「スーパーウォール(SW)壁パネル」と「屋根パネルDRPⅢ」で建物をすっぽり包み 込み、⾼性能窓「TW」をフィッティング。

 古い⽊造住宅の⾵合いや時間の記憶を残しながら 、断熱性能と耐震・快適性を両⽴した。

 ▽地域住⺠と⼿仕事でつむぐ「ぬくもりのある建築」
 TSUDOIの象徴である広い⼟間スペースは⼀般的なセメントを使わず、⼤崎・志布志のごみ分別で回収された約700kgの「陶器ガラ」や敷地内の残⼟、従来廃棄されるはずだった廃プラスチックと廃⽊材を融合させた「revia(レビア)」を、⾻材として配合したコンクリートとなっている。

 2026年5⽉にはワークショップを開催し、地域住⺠や⼦どもたち含め約50名が⾃らコテを握り、お気に⼊りのビー⽟やシーグラスを打設時に埋め込んで、この空間を共に作り上げた。

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