2026年09月14日 23時49分

《コラム・随想 》

劇場での映画と 自主上映会 また違った感激 心に響くもの

 「僕のうしろに道はできる 奇跡が奇跡でなくなる日に向かって」という映画上映会が鹿屋市であった。
 シアターで観る映画と、その映画のように自主上映会で観る映画。

 シアターでの映画は、最近では「国宝」を観てものすごく感動した。

 自主上映会では、何年前だったか「夢見る小学校」を観た。
 これは感動というよりも、私たちが受けてきた学校教育という概念を大きく変えてくれた映画だった。

「教育」という言葉にある「教える」ということでなく、テストや宿題がなく先生がいない。
 「プロジェクト」と呼ばれる体験学習の授業を通じて、子どもたちが自分たちでプロジェクトを運営し自らの頭で考える学校。

 イキイキとして自立している子どもたちの姿を見て、ここでは不登校やいじめは無いんだろうな…と思わせ、これが本当のエデュケーションなのだろうかと、ある意味ショックを受けた。

 それが30年も前から実際ある学校で、これを観た人たちは、こんな学校が自分たちが住んでいるまちにあればいいのに…と感じたはずと思った。

 ただ現実は、私たちが50年以上前に受けていた学校の姿とほとんど変わらないのでは…、なので不登校やいじめは減っていかない、返って増えていく一方なのでは…。

 それら目の前の現実を認識し、さらにショックを受けた映画だった。

何度も心が震える…

 「僕のうしろに道はできる…」映画は、42歳という若さで突然、脳幹出血で倒れ、植物状態に陥った特別支援学校教諭の宮田俊也さん。

 一時は命も危ぶまれる状態で、一生四肢麻痺と思われたが、意思伝達装置を使って会話をしたり、車椅子に乗って外出もできるほど奇跡的な回復。

 絶望的な病状から徐々に回復する宮田さんの姿を通して、その陰にあったさまざまな人の思いを伝え、生きることの希望を描いていくドキュメンタリー映画。

 そして、宮田さんの他にいわゆる植物人間となり、一生このままと宣言された人たちが、親や周りの人たちの必死の思い、諦めない心で、だんだん回復していくという人としての生きる力を映像の力でリアルに映し出していく。

 動けない、しゃべることができないから、傍から見ると何もできない、思考することや感情を表すこともできないと一方的に誤解しながら接してしまう。
 ただ、本人は心の中では叫び続けている…。

 本当は植物人間という言葉はないのでは…と思うくらい、人としての生きる力を感じさせる内容で、心が震える場面が何度もあった。

 映画を観終わってから、この日の上映会主催者の思い、また主催するきっかけとなったいきさつ、身近にこの映画のストーリーのような体験をしている家族、その人と人との関わり等を聞いて、また心が震えた。

 2013年公開された映画。
 なぜこのタイトルなの…と観る前は思っていた。観終わってなるほど…と感じたが、残念ながら2022年宮田さんは道半ばにして永眠された。

 ただ、宮田さんが伝えたかったことを、少しでも代わりに伝えたいと、映画の上映を続けられているという。
 まさに「僕のうしろに道はできる…」ということなのか。

 大劇場での映画鑑賞もいいが、その感激とはまた違った、もっと身近でリアルに心が揺さぶられる自主上映会というスタイルと内容。

 ぜひ次、そんな機会があったら、観に行かれてみては…。いつもとは違う何かを感じる時間となると思う…。(米永20260915)

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