2024年08月24日 17時29分

《雑草 》

真綿で首を絞められる様に国際的に信用が失墜

 先日のテレビ報道でサイパン島陥落の番組を見たが、もんぺ姿の婦人が断崖から海岸に飛び降り自ら命を絶つ映像は、何の躊躇もなく飛び降りて行くのには胸が痛くてみれるものものでは無かった。

 又サイパン島守備隊の日本兵が40人から120人の集団になって、バンザイと大声で叫んで突撃してくる凄まじい光景に米軍は恐怖感を感じた。当時を体験した通信兵はまったく死生観が私達と違っていると話していた。

 お盆で犠牲者の鎮魂の為の番組であったのか、すぐ別の番組に切り替えた。NHKのBS1で同じ第2次世界大戦のダンケルクの戦いの映画放映があった。
 私はこの映像は実戦の記録映画も観たし1940年5月24日から6月4日に起こった、フランスの海岸地方でおきた戦争のイギリス・フランス連合軍が、ナチスドイツ軍から追い詰められ孤立無援の中でドイツ軍が迫って来る状態であった。

 ダンケルクはフランス北部に位置する港湾都市で、その歴史は約7世紀には聖アロア礼拝堂が建てられ、960年頃フランドル伯が防壁を築いたことが記録されている小綺麗な町である。

 ダンケルクの名前はフランス語で砂丘の教会を意味しており、1067年に資料にあるが当時は小漁港に過ぎなかった。

 1384年からはフランドル伯領と共にブルダニユ公国に属し1477年からオーストリア、ついでにスペインの支配を受ける。
 中世期には6回も包囲され奪略され16世紀から17世紀まで、フランス・スペイン・イギリス・オランダ間の紛争の中心だったが、フランスにより最終的に元に戻されている。

 ダンケルクは世界第二次大戦でも重要な役割を果たした地でもある。
 イギリス・フランス連合軍はドイツ軍の猛攻撃を受け追い詰められながら、攻撃を凌ぎ英国本土の輸送船その他小型店・ヨット・観覧船・民間船とあらゆる総ての船を動員して、イギリス本国に約40万人の将兵を脱出させるダイナモ作戦を実行した。

ダンケルクの戦いとノルマンデイ上陸と

 空前の撤退作戦をなりふり構わず実行。この撤退作戦はドイツ空軍とイギリス空軍の戦闘機の激しい攻防の戦闘もあったが撤退作戦は成功した。
 メッサ―シュミットとスッピトフアィアーの攻防も激しかったが、実戦映像を見る限りではスッピトファイアーの活躍が目立った。性能的にスッピトハイア―が優れている様でパイロットの技量の差もあったのだろう。

 因みにスピットハイア―はロルスロイスのエンジンを積み2000馬力近くあり、ドイツのメッサーシュミットはダイムラベンツの1800馬力であっと思う、燃料はイギリス軍は100オクタン価の良質を使用していた。

 戦争では勿体ない逸品を容赦なく消耗する。この撤退作戦は英国本土より700艘以上の民間船等を動員して兵士達を救出して結果として33万8000人連合軍兵士を救出するが、この戦いの影響は大きく将兵の士気の低下を防ぎ英国の抵抗を続ける為の重要な戦いであり、その後の一考となり影響を与えるターニングポイントになる。

 ダンケルクの戦いは連合軍にとって大きな打撃となるが、その後のフランスの降伏へとつながる戦いであった。
 英国はフランスを助ける為大きな力を失い、孤立無援な状態に追い込まれるも然しこれは英国がドイツに対抗する為にアメリカとソビエト連邦との同盟を形成するきっかけとなる。

 イギリスもフランスもこの屈辱は恥じても人間(兵士)の命を救うことは、戦争とは言え当時の日本とは天と地の死生観の差があった。

 やがて連合軍は地上最大上陸作戦をノルマンデイ―に実行してフランスのパリ解放を果たすのだが、この作戦はこの地方の海岸は荒れる時期で上陸作戦は無理と言われた。ドーバー海峡の対岸カレーに上陸を敢行すると偽情報を流し、おとり部隊もカレー地方を覗ったりした。

 ドイツ軍の防衛線も主力部隊をカレー地方にも配備し、ダンケルクの恥辱をノルマンデイで晴らす覚悟で荒れ狂う海をフランス兵はノルマンデイ上陸を多くの犠牲を払いながら敢行し、パリ解放を果たしてダンケルクの恥辱をノルマンデイに上陸して晴らし、ドイツ軍を追い詰め占領地パリを開放してドイツ軍を降伏させるのである。

 話題をかえてウクライナも前進後退の繰り返しで、プーチン氏も国際的に包囲網は真綿で首を絞められる様に国際的に信用が失墜している。国際的な気運も環境も謂れ無き侵略戦争は国際社会がそう長くは許さないだろう。中国も多くの民を幸福にする為に日本やインドと勿論台湾とも、謂れなき紛争は好んで行わないと思う。

 日本が国際連合ハルノートの最後通牒を蹴って第二次世界大戦が勃発して結果として、日本は無条件降伏をして人命軽視の風潮はなくなった。ダンケルクの大撤退作戦を見て戦争とは言え何故原爆を使用しなければなら成ったかを考え、原子核に頼る危険な思想をなくす社会を完成させて欲しい。

ロシアは威嚇で核使用をちらかせるが天に唾すれば我が身に降りかかる。二度とサイパン島のバンザイ突撃が消えうせる世の中に永遠になって欲しいと願うものである。(岩重20240824)

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