2025年01月03日 19時28分
《大隅点描 》
陸上緑藻類スミレモ~淡水種でも海水種でもない気藻種
鹿児島県大隅半島の錦江町田代川瀬にて、コケ植物調査中だ。
写真に満つように人里の低山地の岸壁にオレンジ色をした不思議な物体を発見した。
見た目にはキノコのような生え方をしているが、コケ、地衣、菌でもなく何処かで見たような、定かではく思わず頭を抱えてしまった。
本来、この岸壁はコケ類、シダ類の占領地であるが、現状ではオレンジ色の物体は共存共生できないので競合している姿が写真でも見られる。
朝日新聞社発行の「朝日百科、食物の世界」によると、このオレンジ色の物体は、緑藻類「スミレモ」ちい、カラー写真入りで詳しく紹介されている。
緑藻(りょくそう)類は全世界に約1万種あり、日本にはその約2割の役2000種が分布し、その約1600種は淡水種で海水種は残りの約400種だとある。
そのスミレモはなんと淡水種でも海水種でもなく、唯一の陸上で一生を過ごす気藻類であると紹介されている。
緑藻類とは、光合成色素としてクロロフィルaとbを持ち、これによりでんぷんを生産、貯蔵する藻類とある。
詳しい生態は文献等を参考とされたい。
本地のスミレモは年間を通して研究対象種として見てゆくこととした。
大隅の自然・歴史研究
坂元二三夫