《伝統 》
県内で最も早い春祭り「ダゴ祭り」と「神舞」奉納
志布志市安楽川上流の田之浦山宮神社で
県内で最も早い春祭り「ダゴ祭り」が、令和6年2月4日、志布志市市街地から北へ約10キロで、志布志町の西部を縦流する安楽川上流の川沿いにある「田之浦山宮神社」で開催された。
写真=山宮神社ダゴ祭り
鹿児島県内で最も早い春祭りとして、県指定民俗文化財に指定されている。
いつもは神社境内で開催されるが小雨が降り続き、近くの「田之浦神楽殿」で開催された。
神事は神社で行われ、祭りは会場を田之浦神楽殿に移し続けられた。
神楽殿の周囲に奉納された4本のダゴ花が飾られ、ダゴ花は、長さ2メートルほどのカラタケの上部にワラを巻き着け、そのワラつとにダゴ花の串200本ほどを刺し、稲がたわわに実った様子を表現したもの。
ダゴ花材料の米粉は各戸から持ち寄り、集落ごとに作る。
ダゴを挿す竹串は金竹を長さ30㎝に切り、幅1.5㎝に割り、根の方は先を尖らす。末の方は稲の穂がたわわに実ったように、薄く削る。串は200本用意する。
米粉に水を加えて3㎝程度に丸め、茹でた団子を串に挿す。かつては白い団子だったが、近年は紅などで色づけした団子が増えている。ダゴ花の頂には紅白の平たい餅を挿し、椿の花、キンカン、ミカンなどを挿して飾り付ける。
写真=田之浦神舞、田の神舞
ダゴ祭りに昭和58年から神舞が奉納されている。
神舞は明治32年御神体御更衣の大祭に33段を舞う大神楽が奉納され、現在使用する神楽面や舞衣装、その他舞道具等々はその時に用意されたと伝承。
昭和17年、現在の社殿新築落成時に神楽が奉納されたが、途絶えた。昭和57年に保存会が結成され、翌年の58年の「ダゴ祭り」で約40年ぶりに復活した。
写真=田之浦神舞、岩戸潜り舞
今年のダゴ祭りには、子ども舞の姫舞・小鬼神舞・巫女舞・稚児鬼神舞・岩戸潜り舞の5番。大人の田の神舞と鬼神舞の2番、合計7番が奉納された。
神楽奉納が終わった午後1時、ダゴ花が境内に出され、ダゴ花の争奪戦があり、参拝者は競ってダゴ花を奪い合った。
祭りのダゴを食べると無病息災に過ごせ、焼いて食べると火の災いに遭うので、生で食べるか「ぜんざい」に入れて食べる。
会場ではダゴ花を入れたぜんざいが、1杯100円で販売された。
写真=田之浦神舞、稚児舞