2025年01月14日 07時25分

《伝統 》

竹鉄砲で悪霊祓い、年男が矢射り点火~岡崎地区鬼火焚き

 鹿屋市串良町岡崎地区で正月12日、鬼火焚きの行事が行われた。

 全国では、正月14日か15日の小正月に行われる「左義長」や「どんど焼き」と呼ばれる火祭りだが、鹿児島では6日前後に行われ、鬼火、鬼火焚き、オネッコと呼ばれている。

 鹿屋市串良町岡崎では岡崎東西町内会主催で、今年は12日に行われた。

 昨年末のの22日に会長の下村幸男さん(73)さんらが、近くから孟宗竹を切って、開催する田んぼに運んだ。

 長い孟宗竹を中心に立て、周囲に円錐形になるように中央の竹に立てかけた。1日で作業は終わらなかったので、行事開催日の12日に仕上げを行い、正月飾りも差し込んだ。

 午後5時になると地区の子どもや大人が集まり、焼き鳥を焼いた。
やぐらの近くで竹鉄砲の準備を行い、ターン ターン と大きな音をたてた。かつては近くの高台にある事代主神社境内から、空砲を撃っていたが、今はない。

 孟宗竹を使った竹鉄砲は、長さ1.5メートル程度の竹の上3節程度の節に穴を開け、残した節の少し上の横から5ミリ程度の穴を開ける。
 竹の上から2センチ程度のカーバイト入れ、横から開けた穴から水を注ぐ。
 するとカーバイトが化学反応を起こす。さらに横の穴から火を付けると、ターンと大きな音を立てる。 音が大きい時は、竹が割れることがある。

 昔はこのようにして、大きな音を立てて、悪霊を祓っていたと聞いたことはあるが、実際にこのように行っているのはとても珍しい。

 午後6時になるといよいよやぐらに点火する。
 点火は7人が火のついた矢をやぐら目かけて射る。本来は年男が矢を射るが、今年は年男が1人しか居なかった。

 火がつくとやぐらは激しく燃えて、ターン ターンと大きな音をたて、インフルエンザやコロナなどの悪霊を追い払った。
 ゼンザイが参加者な振る舞われ、大人はかっぽう酒を飲み、悪霊は飛んで行ったと喜んでいた。

 東倉なおみさん(14)は「いつもの鉄砲が鳴り、鬼が飛んでいった」。
 原口智子さんは毎年参加しており「雨が降ったので心配したがよく燃えて、良い厄払いが出来た」。
 会長の下村さんは「弓で火がつき、いい鬼火焚きが出来て良かった」と話した。

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