《行政 》
地元産有機食材使った こまつなと卵のスープ 鹿屋市給食で
地元産の有機小松菜を使った「こまつなと卵のス-プ」が、令和7年6月24日と25日、鹿屋市内の学校給食で提供された。

今回は、使用可能な有機食材を使って、鹿屋市北部学校給食センターで試行的に実施されたもので、24日が寿、寿北、細山田の3小学校と、25日は、笠野原、高隈、大黒、輝北の4小学校と鹿屋東、高隈、輝北の3中学校で実施された。
地元で生産されている有機農産物を学校給食の食材として使用することは、児童・生徒が環境負荷の低減や持続可能な食料生産等に対する理解を深めるための食育推進になるとともに、地産地消につながる。
今回活用されたのは、有機JAS認証取得者が生産した小松菜で、献立としてはこまつなと卵のスープ。



事前に、保護者:給食だよりの配布による保護者・児童生徒への説明等をし広報。
24日は、給食時間に間宮紗矢香栄養教諭が、「こまつなと卵のスープに使われているこまつなは有機農産物です。有機農業は、化学肥料や農薬をできるだけ使わない環境に優しい栽培法で、環境に優しい農業とは、土や水などを自然のままに保つ農業です。
生産者の方々の思いが詰まった給食、好き嫌いせずに食べましょう」など各クラスの電子黒板で、動画等を流してながら説明を行った。

写真=有機食材等を説明する間宮紗矢香栄養教諭
配膳が終わり、みんなで声を合わせ「いただきます!」、美味しそうにこまつなと卵のスープを食べていた。
大野真巳留さん、瀬崎来優さん、黒田真弘君、久保春奈さんらは「めっちゃ、おいしい」と声を揃え、黒田君は「家で小松菜を作って、昨日も食べました。おいしいです」と、大野さんとともにおかわりしていた。

有機農産物の学校給食への活用については、鹿屋市では、次の趣旨を伝えている。
近年、児童生徒の食を取り巻く環境は、アレルギーの増加や食生活の乱れ、食品ロスなど、多くの問題を抱えている。
これらを背景に、学校給食には十分な量があること、栄養があり、おいしいこと、給食費の範囲内でコストを抑えることなどの従前の要請に加え、食の安全やSDGsなどの観点に立った給食の提供が求められてきている。
このような中、農政サイドでは、農林水産省が2021年5月に策定した「みどりの食料システム戦略」において「2050年までに有機農業の面積を100万ヘクタール(全農地の25%)に拡大する」という数値目標とともに、地域内で有機農産物を流通・消費させるという地域完結型(地産地消型)「消費」の部分に「学校給食での利用」が位置づけられている。
これらを踏まえて、北部学校給食センターにおいて有機農産物の学校給食活用を試行的に実施。
今回は同センターの受配校を対象に試行的に当該給食を提供。
市内における有機農産物の生産量が限られている中、1日当たり約3500食の給食を調理し提供している状況では、絶対的に量が不足しており、献立中の1メニューに少量使用する品目を試行利用の対象とすることで今回、スタートした。
7月上旬にも、北部給食センターの受配校で同メニューが提供される予定となっている。