《農林水産テスト 》
牛飼い女子サミット 全国モーモー母ちゃんの集いが鹿屋で
全国牛飼い女子サミット「第12回全国モーモー母ちゃんの集いinかごしま」が、令和7年6月19日・20日、鹿屋市のホテルさつき苑ほかで開催された。
畜産に関わる女性270人が、北海道や沖縄まで全国から集まり、共に語らい、親睦を深め交流を行った。

写真=上別府美由紀実行委員長があいさつ
同サミットは、平成12年に兵庫県で始まった。当時は子牛価格がし、肉用牛繁殖農家の経営状況は決して良い状況ではなく、皆が苦しみ、落ち込んでいる中、この状況を扨皸するために「何とかしたい」「奮いたたなくては」と淡路島の繁殖農家の母ちゃんや女性獣医師が中心となって企画。
牛飼い母ちゃんたちの思いを吐き出せる場所、牛飼い仲間が集まって日頃の悩みや喜びを共に有し、明日への活力を得られる場所を作ろう!と全国の仲間たちに声をかけ、「モーモー母ちゃんの集い」と銘打って淡路島で第1回目が開催された。
母ちゃんたちが自分たちの力で企画、運営したアットホームな大会に、参加した母ちゃんたちから「楽しかった!またやりたい」「1回限りではなく定期的にやろう!」との声が多くあがり、2年置きに全国持ち回りで実施されるイベントとなったもの。宮城、島根、青森、沖縄、岩手、宮崎、秋田、宮城、兵庫、島根と開催されてきている。


この日は、上別府美由紀実行委員長が「畜産は、決して簡単な道ではありません。自然の厳しさや経営の悩み、そして家族や地域を支える責任。だからこそ、この「モーモー母ちゃんの集い」は学びの場であり、そして未来を切り拓く希望の場所です。
今日ここで生まれる出会いや会話が、皆様の明日への元気になりますように…。そして、私たち一人ひとりの笑顔が、畜産業界に新しい風を吹かせていけたら」などあいさつ。

写真=霧島市の窪田加奈子さんが体験発表
体験発表が霧島市の窪田加奈子さん、基調講演が、株式会社Guardian代表取締役の伏見康生氏を講師に行われ、思いっきり熱い想いを全国にお伝えください…と、みんなでつなごう1分間スピーチ! があり、それぞれメッセージを伝えた。
窪田さんは、農業大学校で学び、デンマークで1年間農家留学、鹿屋市で酪農ヘルパーなど経験。
6児の母として子育てをしながら、牛舎数10棟で繁殖牛450頭、肥育牛110頭、小牛360頭を自給飼料で育て、販促活動などにも力を入れ、スマート農業も導入している…などの日々。
農大生や農水省研修も受け入れ、地域や周りとの関りを大切にしている…ほかを紹介。
自分の生活の一日の流れ、今後の目標やかーちゃんたちの活動にふれ、「やればできる」をモットーに進んできた…と締めくくった。

基調講演では「和牛子牛 哺育・育成の管理要点」として、まずは牛肉生産量や販売についてなどをデータを使い説明。
世界の牛肉生産量は2021年、7673万㌧、日本は47万㌧で和牛肉は0.3%、輸出量になると和牛肉0.1%。
日本の車販売台数は421万台であり、自動車メーカーと提携し和牛をプレゼントする、また元日本ハムファイターズの大谷翔平に宣伝してもらうなどすると政府の輸出目標に近づけるのでは…など提案。
和牛界の動向や、和牛生産を支える発育の良い子牛、和牛子牛 哺育・育成の管理要点などを説明した。

写真=伏見康生氏が基調講演
志布志市出身の窪田愛恵さんによる次の大会宣言が朗読され、採択となった。
本日ここ鹿児島県に全国の牛を愛する仲間が集まりました。
厳しい情勢の中でも、私たちは持続可能な畜産経営を目指し、地域や次世代へ命のバトンをつないでいく決意を新たにしています。
今回の集いは、「毎日牛とともに生きる仲間が交流し女性の立場から後継者を育てること」を目的に「勇気と愛、次世代へのバトンタッチは南国鹿児島から」をスローガンに開催しました。
〈宣言〉
牛飼いの魅力を発信し、未来の担い手を育てます。
若手の挑戦を応援し、技術と想いをつないでいきます。
消費者・地域とつながり、畜産への理解を深めていきます。
以上宣言いたします。
大会終了後は、全体交流会・懇親会があり、翌日は、肝付中央家畜市場でのセリ見学などの現地研修、基地史料館などの観光ツアーなども実施された。