2024年11月22日 18時14分

《おおすみ雑記 》

大人にとって当たり前のことでも、子どもにとっては…

 誰一人取り残されない学びの保障を社会全体で実現していくという国の方針の中で、不登校が過去最多になっているということについて書いている。

 不登校増加は11年連続、実際フリースクール等も全国的に増えてきている。

 学校を拒否するこどもたち。言うは易しかもしれないが、どうしたら幸せになれるかを子供自身が考えられるようになる場所、あそぶ環境、学ぶ環境、安心して失敗できる環境を提供。それが学校だという考え方もある。

 ただ、特に戦中から戦後にかけてなのだろう、先生が生徒に教えるというスタイル、知識を身に着けるための教育を中心に、戦後ずっとそのためのノウハウなどが形を変えて学校の中で行われてきた。

 不登校の理由の第一位は、学校生活に対してやる気が出ないが32・2%、不安や憂鬱も23・1%、以前は親がどうしても学校へ行きなさいという形でひきこもりが増えたりしてきたが、コロナ禍での在宅学習の延長も含め、今は、無理をしてまで学校に行かなくてもよいという親世代の意識変化もあり、それが顕在化してきた。

 ただ、これも氷山の一角とまでは言わないが、実数はまだまだ多いと思われる。

 また、学校の中で発達障害児に対する対応、通常学校に通う児童生徒の中で発達障害の可能性があり、特別な支援が必要とされる子どもは、全国の公立小中学校で約77万人が推計されるという。

 こうした対応は、教育機関、教育関係者だけでない対応も必要で、より難しくしている。

不登校児や引きこもり、発達障害児などの多様な子どもたち

 これも以前とは、少し違う環境にもなっていると思う。
 1980年代ドラマを代表する作品の一つと言われる「スクールウォーズ」、京都の伏見工業高ラグビー部とその山口良治監督をモデルとした作家・馬場信浩が執筆したノンフィクション「落ちこぼれ軍団の奇跡」を基に制作されたフィクションドラマ。
 その当時は「落ちこぼれ」という括り、また「荒れた学校」「学級崩壊」で、社会問題となった。そこでは、暴力を振るい暴言を吐いたり、物を壊したりという、まだ元気な中高生の姿があったが、今は、質的に変化している。

 そこでは学校のシステム自体にも課題があり、今の日本の教育システムが、同じ年齢、同じ部屋、同じ時間、同じ内容、同じペース、同じように教える。それが150年間変わっていないという声もあり、大人目線ではなく、こども目線で学校というものを考え、組み立てていく。

 多様性の時代とも言われ、教育の中でも、もっと不登校児や引きこもり、発達障害児などの多様な子どもたちにも対応、それは学校内部だけでなく外部の助けも必要で、こうしたことも分かっているけれど、現実的になかなか前へ進んでいないという現状なのだろう。

一人の人間、一人の個性として接すること

 どうしたら学校に行こうと思うのか、一つにはアクティブラーニングとか、GIGAスクール構想、インクルーシブ、ダイバーシティ、道徳教育とか足し算でなく、チャイム、テスト、校則、試験、通信簿、行事、点数序列など引き算をすることだという。

 おとなの価値観で何でも決めるのではなく、大人にとって当たり前のことでも子どもにとっては当たり前でなく、とても窮屈どころか苦しめ、人格の問題にまで繋がるケースも。
 学校も親も教育界も、こどもを信じる、こどもを人間としてみて、これら大きな課題に接する。

 また、内部だけでなくフリースクール等を、教育界も含め外部の私たちが連携・支援していくことで、多様な子どもたちの居場所を増やしていくことも必要だと思う。

 内部も外部も含め、教師や見守る側が幸せな学校、場所でこどもが幸せに、こどもが幸せになれば親も幸せに。

 この前は、南大隅町のハナノキフェスがあり、ハンディキャップを持つ人たちに対しても「凸凹こそよし」というイベントがあり、昨年は「凸凹もまたよし」から進化した形で開催された。

 これは障がい者だけでなく、普通の人たちにもある凸凹という個性、これを違った目で見るのではなく、一つの個性としてみるというスタイル。福祉や教育という垣根もなくして、一人の人間、一人の個性として現場で接すること。

 誰一人取り残されない学びの保障を社会全体で実現していくという理想、現状ではさらに歩みを深めないといけないのだろうが、少しでも近づくため、何かできること、もっと本当に社会全体で考えないといけないこと、大きな課題。
 不登校増加は11年連続、ここ数年で急激に伸びてきたということを聞いてさらに感じたこと。(米永20241122)

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