《伝統 》
インフルエンザや新型コロナ 悪霊追い払え~南町鬼火焚き
鹿屋市南町の田んぼで正月11日、悪霊を退散し無病息災祈願の鬼火焚きが行われた。
新型コロナウイルスは終息に向かっているように思われたが、昨年末には全国の定点当たり報告数が5.48、前週から約40%増となり、本格的な冬に入り特に北日本で流行が懸念され、さらに今年は特にインフルエンザも拡散しており、悪霊を追い払うため今年の正月も開催した。
平安時代は正月の15日、青竹を束ねて三本を結び、その上に扇子や短冊などを添え、陰陽師が謡いはやしながら焼く正月行事があり、その年の吉凶を占った。
それが民間に伝わり、民間では青竹でやぐらを組んで、正月の門松などの飾り物を集めて焼き、悪霊を祓うようになった。
鹿屋市南町では、南町子供会育成会が昨年の暮れ、会長の永野毅さん(43)が中心になり、付近の山林に孟宗竹を取りに行った。
孟宗竹で約3㍍四方で、高さ約3㍍の枡形のやぐらを田んぼに立て、中心に10メートル程度の長い竹を立てた。
やぐらの中には、木材・竹笹。正月飾りの門松や注連縄を入れた。正面右側に「鬼火焚き」と左側に「無病息災」と書かれた大きな看板が立てられた。
午後5時、地区の子どもたち30人と父兄などが約60人が田んぼのやぐらの前に集まった。
神官が神事を執り行い、やぐらを清めた。
神事後に今年の歳男の前之原純心さんらが、やぐらに点火した。
やぐらは勢いよく燃え、竹が燃え弾けるときに発するターンターンの大きな音で、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの悪霊を追い払った。
前之原純心さんは「初めてのことで気持ちかよく、よい厄払いになった」。
近くの浜田正明さん(80)は「よい厄払いになりました」と話した。
今年は豚汁が参加者に振る舞われた。