2024年01月28日 23時40分

《おおすみ雑記 》

もっと歴史、自然、風習など半島を俯瞰して広域で発信を

 前回からの続きだが、時代が激動し、このグローバル社会と言われる中でも、全国の地方が同じような課題を抱え、未来を見通すための様々な取り組みが行われている。

 ワールドワイドな社会だからこそ、一自治体というよりも、その地方特有のもの、地形や自然、そこから派生している産業、そして歴史などを点から線、面へと広げて発信していかないと、その地方の特性、独自のものは、断片的になってしまい、広くメッセージとしては伝わりにくい。

 なので、もっとこの半島の特性を広域で発信しようと訴えている。

 そうした中で昨年末、東串良町の唐仁古墳一号墳を側面から観ることができる公園が出来て、同古墳の魅力が伝わりとてもうれしかった。
 
 というのも、この事業は大崎、東串良、肝付3町の「魅力ある観光地づくり事業、大隅歴史散策拠点整備」の東串良町唐仁工区事業として行われているもので、すでに大崎町の横瀬古墳周辺の整備が行われ、次は塚崎古墳群周辺の整備が拠点的に広域で行われる計画となっている。

 唐仁古墳群は、130基の前方後円墳や円墳が点在し、県内では最大規模。中でも唐仁大塚古墳(1号墳)は、長140m,高さ11mの前方後円墳で、石室には、刳り抜き式舟形石棺が入っているとされており、短甲も過去には確認されている。県内では最大で、九州でも3位という大きいもの。

 唐仁古墳群1号墳には、後円墳部頂に大塚神社が建立されていて、石室の石蓋の上に建てられているため、これには賛否両論がある。

 前方部が一部削られる形で神社参道があり、鳥居をくぐってその参道を進み、そして円墳部が削られ神社への階段が作られ円墳部頂に着くという形でしか、この前方後円墳を感じることしかできなかったが、それが後円墳の周りもきれいになって、側面から観られるようになった。

広大な土地を支配していた古代における海の民の王

 大隅半島の歴史については、この紙面で2013年から「再発見!大隅半島」として、この地域の歴史や自然などをピックアップし、また「大隅学を始めよう!」と伝えてきた。

 古墳については、本当は志布志にあるダグリ岬の場所にも飯盛山古墳が海に面して存在していたが、国民宿舎が建てられ壊された。とても価値のあるものだったはずだが至極残念。

 古墳時代は海や川を使った船での移動手段が主で、黒潮に乗って移動してきた人たちは、船から葺石で飾られた偉容な姿の古墳群が連なる姿を見ながら大隅半島に上陸していた。当時は、飯盛山古墳のように海岸線の位置に古墳があったとされている。

 飯盛山古墳跡と横瀬古墳の間には、武人埴輪が出土した神領古墳もあり、また、肝属川河口両側に位置する唐仁、塚崎古墳群だが、肝属川を上ったところには、岡崎古墳群もあり、今、研究がなされ、唐仁古墳群と岡崎古墳群はどうも繋がりのあることが分かってきたとも言われている。

 志布志湾沿いの今でいう志布志、大崎、東串良、肝付、鹿屋の広大な土地を支配していた古代における海の民の王がいて、その墓がこれら古墳である。

山幸海幸物語をルーツに大隅半島の古代を考えてみる

 大隅半島には、天皇陵である吾平山上陵、そして明治7年までは山幸彦が奉られていた高屋山上陵も国見山頂付近にあって、隼人族の祖と言われる海幸彦との物語が、この大隅半島で展開されたからこそ、
神代三山稜の2つ、そして鹿児島で最大の古墳が、天皇陵に準ずるような墓としての古墳群として存在している。

 神話の中の陵と、古墳とは年代的、形態的に結びつかないと言われそうだが、海幸彦が隼人の祖と言われていることを、さらに深く研究し、調べていくと、その辺りの謎が解けていく。

 そして今、肝属川河口の東串良側にある神武天皇御発航伝説地の碑の近くに建てられた神武天皇にまつわる17の史跡等が説明されている看板のマップ、その一つひとつを丁寧に研究していくと、これら志布志湾沿い古墳群存在理由のヒントも埋もれている。

 それはこの湾沿い連なる古墳群を、存在する一自治体により点で発信していくと見えるものも見えてこないしさっぱり伝わらないが、志布志、大崎、東串良、肝付、鹿屋と5自治体が広域で発信していくと、大隅半島の古代の姿、その糸口が紐解ける。

 この後さらに東串良と鹿屋が古墳で繋がりを求め、大隅歴史散策拠点整備のように広域で連携、鹿屋市も加わっていく形がとれれば、全国に発信できるものが見えてきて、もっと面白くなると思う。

 広域観光もこうした視点で、歴史、自然、風習など半島を俯瞰していけば、今はまるでバラバラな発信がもっとまとまっていくと思う。鹿屋市がこれまでの形でない広域でさらにリーダーシップをとって…。(米永20240128)

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