2024年08月21日 17時12分

《伝統 》

ごれっそう~大浜海岸で先祖の霊の迎え火と送り火灯し

 南大隅町大浜海岸で8月14日と15日の夜、盆の迎え火と送り火「ごれっそう」の行事が行われた。
 精霊迎え火と送り火を焚く習慣が全国的にあり、盆の13日の夕方に迎え火、15日の夜に送り火を家の門口や墓地で焚く。

 初盆の家庭では親戚縁者や近所の人々が提灯を贈り、それを盆の13日と15日の夜に墓地で吊して並べ、灯す習慣がある。
 所によっては集落で海岸などに集まり、盆の火の行事を行うところもある。

 南大隅町の錦江湾に面した大浜海岸では、盆の8月13日に迎え火、15日に送り火を大浜海岸で行っていた。近年では14日に迎え火、15日に送り火を焚いている。

 この火は「ごれっそう」と呼ばれる松明上げの行事。

 大浜地区は上、中、下の3集落からなり、3集落で大浜一統会という組織を結成している。

 8月7日に七夕飾りした竿を立て、13日早朝に竿の先を切り落として海岸から海に流す。盆の提灯は8月7日から22日まで、毎夜吊して火を灯す。

 先端を切り落とした七夕竿の先に、松の芯を細長く切ったアカシを束ね、竹竿の先端に差し込む。

 盆の8月13日夕刻、各家庭ではご馳走を作り、大浜海岸に集まって夕食を食べながら宴を開いていた。薄暗くなると竹竿の先端の松の束に火を付け、各集落毎に海岸の砂浜に立てる。

 海岸では大きな竹竿の先端が提灯のように丸く輝く姿は、幻想的だ。先祖の精霊はこの火を目標にして家庭に帰って来る。この迎え火は、精霊が早く帰ってくるように、夕方行う。今年の行事は14日に行った。

 15日も同じようなことを行う。この日に先祖の精霊が再びあの世に帰る。
少しでも長く居てもらうよう、遅くなってから灯す。
 ごれっそうの語源は誰に聞いても分からない。

 精霊を14日に浜辺で迎え火を焚いて迎え、15日に浜辺で送り火を焚いて精霊を送る行事だ。

 かつては盛んに行われた行事で浜辺には100本程度の松明が立っていた。行事は衰退してしまった。大浜地区では大浜一統会を結成して、行事は数年前に復活した。

 送り火は数年前までは海岸に出て、ゴレッソウの火の下で精霊と共にご馳走を食べて見送ったが、今年は見られなかった。
 今年は上・中・下の3集落がそろって実施した。

 今年から実施時間を午後8時に統一し、一斉に浜辺に竹竿が立てられ、灯火が灯った。各公民館に夕方になると集まり宴が開かれ、午後8時になると各集落前の海岸に集まり、行事を行う。

 昨年から中集落前の海岸で音楽会が開かれている。オカリナや鉄琴の音に合わせ、幻想的な音楽が波の音と共に浜辺に響き、お疲れ様と精霊を迎えた。

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