2024年12月12日 19時26分

《伝統 》

地区民が一体となり厳かに田之浦夜神楽

 志布志市田之浦の山宮神社で令和6年11月30日、田之浦夜神楽が2年ぶりに舞われた。

田之浦神楽の起原は定かでないが、江戸時代初期の慶長年間には神楽殿が建てられていた記録が残っている。
 その後に改築された時の棟札が山宮神社に保管されている。明治32年御身体更衣の大祭に33番の大神楽が舞われた。

写真=彦舞

写真=田の神舞

写真=十二神剣舞

 現在使用している神楽面、舞衣裳、神楽道具はその時に調えられたと伝えられる。

 その後、度々大神楽が奉納されたが、昭和17年に一時途絶えた。昭和58年に保存会が結成されて12段が復活し、2月1日のダゴ祭りに神楽が奉納されるようになった。現在は隔年ごとに夜神楽が復活し、24番を舞うようになった。

写真=霧島舞

 この日の夜神楽は、午後4時に山宮神社で神事が行われ、神様を神輿にお移しし、神楽会場の交流館まで神幸。

 交流館で午後6時前から1番の「彦舞」から始まった。
 梅沢健太さんが面をかぶり右手に輪鈴、左手に榊を持ち、下駄を履いてゆっくりと勇壮に舞う。

 2番目は「幣舞」で子ども4人が赤い服装で白鉢巻を締め、右手輪鈴に左手に短い御幣を持って舞った。
 3番は「児鬼神舞」で4人の面をかぶった鬼神が右手に扇で左手に面棒を持って舞う。
 
 8番は「岩戸潜り」で子どもたち14人が白装束で頭に白鉢巻を締め、右手に榊柴を、右手に輪鈴を持ち、右へ左へとグルグル回りながら、アーチ状の輪を走りながら勇壮にくぐった。

写真=鯛釣り舞

写真=ご神幸

 22番は「田の神舞」。田の神が場外から舞いながら舞殿に入って来る。田の神は白い面をかぶり編み笠ほかぶり左手に大きなメシガイを持ち、右手にも大きな輪鈴を持ち蓑を着て、ゆっくりと入場する。

 そこへ村の者が出てきて、田の神の持っているメシガイの使い方を教えてもらう。そのメシガイが欲しくなりもらう。擂り粉木の使い方を教えてもらうなどして、次から次に品物をもらう舞。問答は鹿児島弁で、面白おかしく演じた。

 最後の24番の「十二神剣舞」はこの神楽の一番人気の舞。白装束で白の襷に白鉢巻を締め、左手に抜き身の刀を左手は扇を持ち入場する。右や左に回転しながら舞い、互いに刀の柄と刃先を持ってアーチを作ってくぐる。

 寒い夜だったが、深夜11時頃まで舞は続いた。
 大阪・福岡・鹿児島からの祭り好きな3人はこの神楽のために訪れ「素晴らしい舞」と感激していた。

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