《伝統 》
刀舞など練り歩き、鬼人が脅し回る~鹿屋市高須町祇園祭
鹿屋市高須町の波之上神社で令和6年8月4日、祇園祭り「おぎおんさあ」があり、鹿屋市無形民俗文化財の「高須刀舞」が高須町内を舞いながら神幸した
鹿屋市高須町の八坂神社では明治末から祇園祭が行われ、山車が出てにぎわっていた。八坂神社が波之上神社に合祀されると、祇園祭は続けられたが山車の代わりに波之上神社の神舞が舞われるようになった。
祭りは戦時中に1回だけ中断したが、新型コロナウイルス感染防止のため2年中断し、3年ぶりに2022年に復活して続けられている。いつもは高須地区学習センターで昼食をとり、夕方まで祭りは続いていたが、連日の猛暑のため神幸コースを短縮して、時間も午前9時前に始められ、昼には祭りは終了した。
神幸の舞は、刀舞(かっなめ)、弓舞、長刀舞、田神舞、鬼神舞の5つの舞の総称で、かつては大晦日に波之上神社で舞っていた。
祇園祭は夏に悪疫退散のために行われていた祭りだったが、今では五穀豊穣、商売繁盛、子どもの健やかな成長を願うことも加わり、小中学生と青年が舞っている。
午前9時前に、長い階段の上にある波之上神社で、今年は猛暑のため関係者だけで神事は行われた。
神事が終わると境内で長刀舞、剣舞、弓舞、田の神舞などが順に神社に奉納され、神社の階段で全員揃って記念撮影し、町内に繰り出した。
神幸は竹笹で道を清めながら進み、十字路などで舞を披露した。
田の神と鬼神が子どもを追いかけ回し「ホーホッホッホッホー」と大声で脅す。子どもは驚いて真っ青になり泣き出す。
神に驚かされた子どもは悪疫が退散し健やかな成長が約束されることから、髙須町内の子どもだけでなく、町外に出ている出身者も子どもを連れ、祭りのために帰ってくる。
高須海水浴場では海岸の砂浜で隊列を組み、舞を舞った。
鬼神と田の神は海水浴に来ている子どもたち目がけて海に入り、「ホーホッホッホッホー」と叫びながら、追いかけ回した。
上原高須振興会長(63)は「猛暑のために開始時間を早め、神幸コースを短縮して昼には終了でき、高須町内の人々の悪疫退散が出来て喜んでもらえた。」と話した。