2023年10月27日 16時34分
《大隅点描 》
大隅地方は植物相(フロラ)の宝庫
シロヤマハッカの発見
曽於市末吉町の広域農道の道端に生える雑草の中に、秋を告げるように青紫色の鮮やかな小さな花が群落していた。その花はシソ科ヤマハッカ属のヤマハッカである。
ヤマハッカはアジア東部に広く分布するとされ、日本全土の山地の林縁に生える多年草で高さ60センチから90センチになる。
茎は四角形で上部で枝分かれし、葉は対生し長さ3センチから6センチの三角状広卵形、縁に鋸葉があり葉柄には翼がある。
枝先に長い花穂を出し唇形花を数個ずつ数段につける。花冠は長さ7ミリから10ミリで上唇は反り返って直立し、中央部に紫色の細かい斑点がある。
生態は山地となっているが自然生豊かな平地の日光の当たる路端にも雑草となって生えている。
ヤマハッカは普通は青紫色の花であるが、筆者は白色の変種があることを頭の中に入れていたため、今回の白花変種の発見に至った。
遺伝的特徴の生態を考える上で、大きな発見で種の保存にも力が入る。大隅地方では同じヤマハッカ属の山地性のタカクマヒキオコシと丘陵性の高さ2メートルにもなるヒキオコシがあるが、筆者は志布志市四浦にて花に毛がふさふさと密生したケヤマハッカを2022年11月13日に発見している。
「雑草、されど大隅の雑草」山地に里に大隅地方は植物相(フロラ)の宝庫である。