2024年10月05日 19時40分

《伝統 》

川東町八月口説き踊り~肝属川遡上の交易船から歌伝わる

 水神奉納舞川東町八月口説き踊りが、旧暦8月28日の令和6年9月30日、王子町での鉦踊り奉納とともに行われたあと、川東町内巡回も町内8か所で舞われ、周辺住民も見守りご祝儀が渡された。

 川東町八月口説き踊りは毎年、旧暦の8月28日に町内の各水神に奉納し五穀豊穣を祈るもの。

 今年は9月30日がその日にあたり、川東町に伝わる伝統芸能として、鹿屋市無形民俗文化財に指定されている。

 今から300年ほど前、島津氏の指示により多くの新田開拓が進められ、この踊りは、和田用水路開築の折に従事した朝鮮、琉球の土工達が苦役の中で故国を偲び月の美しい秋の夜に踊った事が始まりと伝えられている。

写真=97歳の串田キクさんもご祝儀、踊り手が声掛けふれあう

 その後、宝暦3年(1753年)水路が完成。
 水路は、王子町和田井關の湧水から始まり川東町の川北集落より肝属川に流れている。
 また当時、柏原港を経て肝属川を遡上する交易船により上方等の歌が伝わり歌詞がついたと言われている。

 肝属川沿いには八月踊の行われた集落が幾つもあり、琉球弧に沿い奄美の島々にも所作の似た「八月踊り」が舞われていた。

 水神は、水を司る神様で、大地を潤し生命を育み、変幻自在に姿を変え循環する天と地の神様でもあり、深い感謝と共に安全を願い、町内8か所で祈りを込めて踊りが奉納された。

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